同社ではゼロ・エミッションを実現しており、最終処分場に送られる廃棄物がほとんどない状態だという。そして、再資源化率は90%に達し、それらは有償で売却されている。
「ただし、金属には当然のことながら市場価格が存在し、売却価格は毎日変わります。鉄でいえば、3年前は1キログラムあたり10円だったのが去年は80円。今年はまた下がって30円といった具合に、大きく変動してしまいます」(岩下氏)。
価格が変動することで、ビジネスとしては難しい面が大きいことも確かだ。それでも、資源としての価値に着目した新しい動きが出ている。
JOGMEC 目次氏が語るように、資源として活用するには、一定量の確保が不可欠になる。そして、東京エコリサイクルのような中間処理業者の悩みは、まとまった量のリサイクル資源が安定的に手に入らないことだった。だが、同社の小林達矢氏は、「最近の変化として、複数の中間処理業者からリサイクル資源を買い取り、まとめて精錬業者にわたす問屋のような機能を持った企業が現れてきたことは大きい」と期待する。
さらに、これまでは廃棄物となっていた素材もリサイクルするというように、扱いの幅も増えてきているという。
「こうした取り組みが進むことで、国内の資源循環にいい影響を与えてくれればいいと考えています」(小林氏)。
本記事は月刊ビジネスアスキー 2008年12月号 特集3から抜粋・再編集したものです。
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