世界的不景気の中、年末商戦の時期を迎える家電メーカー。家電量販店のPOSデータを元に製品の実売台数などを集計するBCNが、薄型テレビ販売の現状と予想を発表したが、どうやら薄型テレビの年末商戦は苦しくなりそうだ。
2008年秋冬の薄型テレビ新機種は、40型以上の大型製品が多い(関連記事)。一方で40~50型の薄型テレビの台数別販売伸び率(前年同期比)は、6月をピーク(190%)にどんどん低下し、10月は129%にまで落ち込んでいる。
さらに50型以上の薄型テレビの販売台数は、9、10月でかろうじて103%程度の伸び率をキープしているものの、金額ベースでは90%(9月)、88.6%(10月)と前年同期を割り込んだ。
この傾向が年末商戦まで続くと、大型の最新テレビは売れず、夏前に発表された40型以下の中型、小型のテレビ、もしくは型落ち製品が主戦場になりそうだ。
そしてBCNは、大型テレビ不振の状況を不景気による一時的な落ち込みとは見ていない。むしろ、日本の狭い家屋事情などの要因で、40型以上の継続的な伸び率の低下が今後も長期的に続くと予測している。
なおメーカー別シェアは、あいかわらずシャープが独走状態であるが、その後をパナソニックが猛追している。
昨年9月から今年の9月まで40%台をキープしていたシャープのシェア(台数ベース)だが10月に39.6%に落ちた。これはパナソニックのシェアが9月の18.1%から10月には23%にアップしたことが大きな要因だ。