3Gとのデータ通信シェア争いで苦戦、
救いは個人向け音声定額サービス
10月28日午後、都内のホテルでウィルコムの秋冬商戦向け新製品・新サービス発表会が開催された。しかしその内容は、冒頭よりウィルコムの苦戦する現状について話すという衝撃的なものだった。
副社長の土橋氏がウィルコムの営業状況を説明した。それによると携帯市場の競争激化によりウィルコムの契約数が8月から10月まで純減している。その原因の一つとして、パソコンでのデータ通信市場が3Gとの競争で厳しい状況に置かれていることがある。
ただ、そのような状況であるが、個人向け音声サービスに関しては、24時間ウィルコム間定額サービスによって契約数が純増している、とのことだった。
秋冬商戦はなんとか耐え、春商戦での起死回生に賭ける
発表会後半の質疑応答でも、この契約者数減少について質問が集中した。例えば「純増に転じていきたいとのことだが、今回の新商品でそれが実現できるのか?」という質問に対しては、「今回の新製品・新サービスで純減を食い止め、純増に転じたい」とコメント。さらに「景況感悪化で回線2台目の解約が進み、ウィルコムは不利なのでは?」という質問には「コミュニケーションとそのコストの問題ではあるが、24時間定額などや2年縛りなどを導入している状況でも契約者は増えているので、逆にコストの点で(ケータイからの)移行が増えることを期待している」と答えている。
また、いよいよ来年に迫った次世代PHSについても質問が相次いだ。「次世代PHS登場前で買い控えが発生していると思うが、次世代PHSへの切り替え時期をどう認識しているか?」という質問に対しては、「次世代PHSのスタートには、データ通信において法人ユーザーの満足できるエリアの構築を考えないといけない。なるべく早く具体的な話をしていきたいと考えている」という、慎重な構えは見せつつも、対競合の点から早急な導入を考えていることを伺わせていた。しかし肝心の端末の詳細については「マーケット、エリアやサービスなどのバランスを考えつつ開発中。現状で詳細はお話できない」と素っ気ない回答だった。
取材した印象だが、慎重な発言の中にも自信を秘めているように感じた。ウィルコムは、春商戦でマーケットに対し相当強力な玉をぶつけてくるのではないだろうか。
秋冬商戦向け施策は、個人向けサービスの強化が主眼
すでに端末については「スライド、ラメ、防水-ウィルコム新端末発表- 」で紹介しているので、本稿では同日発表されたサービスを中心に取り上げることにする。
最大7名での同時通話が可能な「ウィルコムミーティング」
リアルタイムに文字やイラスト、図形を共有できる「手描きチャット」
法人向け「ビジネス安心サービス」も登場
また、新メールドメイン導入についてもアナウンスされた。新メールドメイン「willcom.com」は、2009年1月15日(木)の新規取得・変更分から利用可能になる。現在の「pdx.ne.jp」も引き続き利用できる。
おまけ 発表会場で見かけたモノ
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