90年代にパソコンマニアを中心に好評を博した超ミニコンピューター、いわゆる「スモコン」。そのテイストを感じさせるデジタルガジェットが、オフィス文具やテプラでお馴染みのキングジムから登場した。それが「デジタルメモ『ポメラ』」(DM10)だ。
携帯ゲーム機並みの小さなボディーに、キーピッチ約17mmの大きなキーボードを搭載。テキスト入力だけに特化した「多機能・高性能」の逆をあえていく驚きのスモコンである。豊富な写真を元に、その魅力をひもといていこう。
幅広変形キーボードはしっかりした作り
ポメラ最大の特徴は、PDAや携帯ゲーム機サイズのボディーで快適な文章入力を実現するための、折りたたみ式キーボードの搭載にある。ディスプレー部を開くと、2つに畳まれたキーボードの背面が現われる。閉じた状態でのキーボードパネルは固定されていて、安っぽさを感じさせるようなガタツキがない。
左側面にあるボタンを押すと、固定が外れてパネルが右側に開くようになる。そのまま水平状態まで開ききると、「カチリ」と音がしてロックがかかり、使えるようになる。動画も掲載したので、その展開パターンをご覧いただきたい。ちなみにパネルを閉じると、自動的に電源がオフになる実用的なギミックも備わっている。
ポメラのキーボード展開の様子
ボディーの左右にはみ出す形で薄いキーボードが展開されるので、それだけでは打鍵時にキーボードがガタついて打ちにくくなる。そこでポメラでは、キーボード左側の裏面と本体裏面右側に、キーボードを支える足が展開する工夫が凝らされている。キーボード裏面左に付いている足は、キーボード展開時に自動で引き出される。右側の足はキーボードとは別に、手でスライドさせて引き出す。この足でキーボードパネルの中に浮いた部分を裏から支えることで、激しい打鍵でもキーボードがガタつくことがないわけだ。
全体的にしっかりとした作りで、キーボード展開という派手なギミックを備えながら、ビジネスマンにとっての実用性や使い勝手をしっかり考えた製品、という印象が伝わってくる。