Vana'diel Bench 3
ベンチマークの最後はVana'diel Bench 3(通称:FFベンチ)だ。このベンチマークは昨今のGPUパフォーマンスの向上により、どちらかと言えばCPUのシングルスレッドベンチマークになりつつある。一応わずかながら差は出ているが誤差の範囲で、GeForce 9300とGeForce 8500 GTに差はほとんど無いと言っていいだろう。またHybird SLIの効果も全く無い。
一方AMD 780Gだが、シングルスレッド比較では不利になるPhenomの特性がそのまま出ていると言ってもよく、GeForce 9300に大きく離される結果となった。
消費電力
最後に消費電力をチェックしてみよう。設定はCPUの省電力機能(EIST)は有効とし、Windows Vistaの電力管理をパフォーマンスにしている。なおAMD 780GはCPUの電力がまるで違うため、比較していない点はご了承いただきたい。
Windows Vistaを起動し30分放置した状態をアイドルとし、3DMark06のFeature TestにてPixcel Shaderテストを連続20回実行時を高負荷としてワットチェカーにてシステム全体の消費電力を計測した。
結果は概ね予想通りだが、意外にもHybrid SLI時の消費電力が低い点は注目すべきだろう。アイドル時はGeForce 8500 GTとほぼ同等、3DMark06実行時でもGeForce 8500 GTに対して15W程度のアップで済んでいる。
GeForce 8500 GT並みのGeForce 9300
ようやくInteプラットフォームにも“使える”グラフィックス統合チップセットマザーボードが登場し、ローエンド環境の底上げがかなり進んだ感じだ。ミドルレンジクラスのCPUを使う限りAMD 780Gに劣ることもなく、パフォーマンス的には十分合格点だ。
Hybrid SLIのパフォーマンスアップはそこそこ期待できるものの、コストパフォーマンスを考えると微妙だ。すでにGeForce 8500 GTなどを持っているなら差してみるのはアリだろうが、どうせ差すならミドレンジクラスのビデオカードを購入する方が賢明だろう。
GeForce 8500 GT並みの性能を持つGeForce 9300は、カジュアルなゲームタイトルを十分にプレイでき、なおかつ設定次第で3Dゲームタイトルも遊べるだけのパフォーマンスを持っている。余っているCore 2 Duoなどを生かすサブPCの主役として、あるいはMMORPGのようなオンラインタイトルを手軽に遊ぶための選択肢としてGeForce 9300は最適な製品と言えそうだ。
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