レーティングを活用する「ゲームの制限」
「ゲームの制限」機能は、一風変わった機能である。任意のアプリケーションの起動をできなくするという意味では、後述する「アプリケーションの制限」と似たようなものだが、ゲームに特化した「レーティング」を活用した制限設定を備えているのだ。
上の画面で「ゲームレーティングを設定」をクリックすると、レーティングを基準としたゲームの許可/不許可を設定する画面に移動する。ここでは、各国のゲームレーティング担当組織(日本の場合はNPO法人「CERO」)の基準にもとづいた管理ができる。
CEROの定義の場合、年齢別に「全年齢対象」のAから、「18歳以上のみ対象」のZまで、5つの区分がある。設定画面で「レーティングのないゲームを禁止する」をチェックした場合、CEROのレーティングに合わせて、どの区分までなら子供がプレイしていいかを選択する。
日本語版のVistaの場合、レーティング組織はデフォルトでCEROになっている。あまり使うことはないと思われるが、これを海外のレーティング組織に切り替えることも可能だ(パソコン全体で1種類)。レーティング組織の変更は、本稿2ページ目の制限するアカウントを選択する画面の左にある、「ゲームレーティングシステムの選択」をクリックする。
北米や欧州産のゲームをよく遊ぶ人は、北米のレーティング組織である「ESRB」や欧州の「PEGI」に変えると、その地域で設定されたレーティングで、ゲームを制限できる。
ゲームの制限で不許可に設定したゲームを、子供側アカウントで起動してみた。まず、カプコンの「ロストプラネット エクストリームコンディション」の場合、ゲームの前に起動されるオンライン認証システム「Steam」は起動したものの、ゲームを選んで実行しようとすると、下のようなエラーが出て、実行できなかった。
一方、同様に不許可にした「F.E.A.R」の場合は、ショートカットアイコンが「リンク先不明」となって、ゲームを起動できなかった。直接ゲームのインストールフォルダから起動しようとしてみたが、こちらはフォルダへのアクセス権限がないとして、プログラムのあるフォルダを開くことさえできなかった。いずれにしても、「ゲームの制限」はきちんと機能しているようだ。
各国ごとのレーティング組織の基準を元に、子供の利用を管理しようというアイデアは合理的だ。しかし、レーティング組織の審査を通っていないゲームは、「ゲームの制限」機能ではまったく管理できないという問題点もある。例えば、いわゆるアダルトゲームの類はCEROの審査を利用していないので、この機能ではまったく制限できない。国内で運営されているオンラインゲームの多く(特に海外開発のゲーム)も同様である。
レーティングを使用せず、「ゲームの制限」機能で不許可にできないゲームは、次に述べる「アプリケーションの制限」で制御することになる。