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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第73回

ここにも猫!あそこにも猫!秋こそ撮影のチャンス

2008年10月16日 16時27分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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川原にいた猫。妙に顔が小さい……というよりも、身体がでかいのである

川原にいた猫。妙に顔が小さい……というよりも、身体がでかいのである。でかいわりに身軽でした。猫だから。実は右下の土管にもう1匹おります(2008年10月撮影 ニコン「D90」)

 秋って、猫と出会うには最適な季節かもしれない、先日思ったのである。自転車でふらっと散歩してる間に、10匹以上の猫と出会ったんだから。

 夏は暑くて日陰に引っ込んでいた猫も、秋はのそのそと顔を出し、春~夏に生まれた子猫も成長して好奇心旺盛な顔でふらふら出歩く。そんな季節なのだ。人間にとっても散歩にいい季節だしね。

 お勧めは午後3~5時くらい。お昼寝から目覚めた猫が「腹減ったー」とうろうろしはじめる時間。人に餌をもらい慣れてる猫だと、鳴きながら近寄ってきたりする。

 今回は、買ったばかりのニコン「D90」を携えて自転車散歩しているときに出会った猫たちの話。

 まずは天台宗のお寺の前でのんびり毛繕いしてた猫の背中。正面の写真も撮ったんだけど、やっぱこの方が猫が石碑の言葉を読んでいるようで面白い。「道心の中に衣食あり」 を猫がしみじみ感じてる、と思うと意味ありげだけど、たぶんそんなことはない。

門前の猫習わぬ経を読む……いや読みませんってば

門前の猫習わぬ経を読む……いや読みませんってば。後ろにある「道心の中に衣食あり」は天台宗の開祖「最澄」の言葉。このあとに「衣食の中に道心なし」と続く(2008年10月撮影 ニコン「D90」)

 住宅街を走っているときは、速度を控えめにしてるからでもあるが、視界の隅に不意に白や茶色や黒のふわっとした固まりを発見する。猫を求めて脇見ばかりしてるわけじゃない。むしろ、前方を中心にぼーっと無心に眺めているとき、視界の周辺にふと違和感を感じる。

 いつだったか、アーケードゲームの達人と素人では何が違うかを実験して確かめたら、達人は視線が画面の中心からあまり動かないのに対し、下手な人はキョロキョロと画面の色んなところを見てた、というテレビ番組を見た記憶がある。視線を動かさずに周辺視野で動きを捉えるという話だ。その頃「周辺視野」が流行ってて、一流のバッターは投手の肘あたりを中心に視線を動かさないで見てるって話もよく聞いた。

 たぶんそれと似たようなものなんだと思う。周辺視野に猫が入ったときふと気付くのだ。

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