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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第35回

おでん缶より絶対レア! 自販機マニア「山田屋」の叫び

2008年10月13日 09時00分更新

文● 古田雄介

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サイトの人気が社交性を押し上げた

── これはnomさんの特徴と思うのですが、ブレイク後もサイトに私生活をそのまま載せていますよね。一時期更新頻度が低くなった理由もそのまま正直に書いたりして。このあたりはあえて隠さないという意識があるのですか?

nom 最初は本当に自己満足のページだったので、「どうせ誰も見ないだろう」と、個人的なことをバンバン載せていました。その流れで来てしまったのですが、最近はちょっと控えるようにしています。

 というのも、せっかく山田屋を好きになってくれた人が離れていくというのが嫌なんですよ。大勢の人が見てくれるということを意識すると、私的なことは段々と書きづらくなりますね。

nom氏のプライベートな感情や動向が訥々と語られる「ひとりごと」ページ。更新は2007年12月でストップしている


── マイナーがメジャーになる過程で避けられない道ですね。「細々と自販機を楽しみたいから、そっとしておいて」という感情はありますか?

nom いえ、意外とないんですよね。脚光を浴びるのは、それはそれで楽しくていいかなと思う自分がいるんです。自分でも気付かなかったんですけど、サイトを運営して人気が出てくるうちに、そういう目立ちたいという感情が芽生えてきたのかもしれません。


── たしかに、内向的な人間だと自己分析されていましたが、最近はオフ会を開いたりと積極的に活動していますね。

nom そうですね。山田屋を運営していく過程で、自分のウェブサイトがこれだけ多くの人に受け入れられたというのが、やっぱり自信につながっています。そこは、自分自身の中で、サイト運営前と大きく変わった部分だと思いますね。


── その一方で、「ひとりごと」を読むと、モノに対する愛着は今でも相当強いですよね。モノを捨てられない人ですか?

nom その通りです(笑)。そこは昔から変わっていませんね。古いモノはそのまま残って、新しいモノが増えて欲しいというのが理想なんですよ。

 自販機の場合、普通は10年が寿命らしいですが、30年、40年経っても残っているものがあって、そこに強く惹かれますからね。逆に古いモノが消えていくのはすごく悲しいです。山田商店が潰れたときはかなりヘコみましたから。この性格が自販機愛につながっているので、サイトを続けている以上、ここは変わらないでしょう。

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