8bit機のミニマルな世界が、好き
── ところで、ピコピコ音にもいろいろあると思うんですが、末永さんはどういう音が好きなんですか?
末永 ライブなのが好きなんです。ゲーム音楽ってライブじゃないですか。操作したらなにか返ってくる感じのヤツ。たとえば正弦波とか矩形波とかって、電子回路を組めばできるわけですよね。今だとパソコン上で音源エミュレーターもありますし、いろいろ出す方法があるわけです。ぼくは昔スーファミのプログラムを書いてたという話を先ほどしましたけど、ゲームを操作したらピコピコ出るっていうのが好きなんです。
── 世の中に出回っているゲーム感覚の楽器はどうでしょう?
末永 DS-10はほしいんですけど……。これはちょっとノスタルジーも入ってると思うんですが、ファミコンとかGBAでライブをやってる人がいるんですけど、そういうのがけっこう好きかな。それで、最近ファミコンのソフトを書きたいなと思ってます。
── ノスタルジーというキーワードが入ってました。昔の音を忠実に再現することが重要なんしょうか?
末永 そういうのもあるんじゃないですか。最近、ニコニコ動画のチップチューンの動画で、「実機かどうか論争」というのがあったんです。実機で鳴らしてラインで録ったやつか、それともエミュレーターで録ったやつか、それともエミュレーターで録ったやつか、それともそれっぽい波形が出せるシンセサイ ザーで録ったものかで、(カテゴリーを)分けるべきだっていう論争です。
── それに対しての末永さんの意見は?
末永 ぼくはまあだいたいそれっぽいならいいじゃんって(笑)
── 8ビットのミニマルな世界が好きなんですか。
末永 好きです。メロディもベースラインもきれいにでるので、好きですね。あと、正弦波のような音を出したいときに、エンベロープをかえたりして、テクニックでいろいろ波形をいじったりとかが好きです。音量をちょっと下げて、すぐ上げるとか。
── そこはやっぱり鑑賞するうえで大事なポイントですか?
末永 ピコカキコには「ほめる」っていう機能があるんですけど、波形をいじったものは点数が高いですね。
── なるほど。お話ありがとうございました。
俺らは誰か!? そして何をするのか
電子工作からバンド演奏までさまざまな活動を行なうユニット。各活動に共通するテーマは「電気が通ること」。アナログ・デジタル問わず、電気が通って楽しいことなら、何でもやる覚悟。発起人のスタパ齋藤、船田戦闘機、上杉季明に加え、四本淑三、大木真一が参画中。
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