作り始めたら、1日でできた
── 開発期間はどのくらいですか?
末永 作ろうと思ってから、だいたい1日くらいでできて、「わーできた」と思いました。
── MMLを使った企画は、はてなでもやってますけど、あれもFlMML?
末永 はい。あれは日記のなかに記号をいれて、そこが音楽として再生できるというものですね。いかんせん、はてなは権利処理をしてくれるわけではないので、JASRAC管理楽曲が貼れないんです。
── ピコカキコでは、権利処理してくれるんですか?
末永 ボクがJASRACと交渉して、JASRAC管理楽曲であれば、貼れるようにしました。
── どういう交渉をしたんですか?
末永 売り上げの何パーセントを払うとか、そういう話ですね。
── でも貼られた楽曲がJASRACの管理楽曲かどうかを判断する仕組みが必要ですよね。どうやってるんですか?
末永 ユーザに入れさせます。超単純なメソッド。しかも、JASRACの管理コードで直接入れてもらう。
── それでいいんですね……。
末永 最近、DSでバンブラ(大合奏バンドブラザーズDX)っていうソフトが出てますけど、あれもユーザーが作った曲を投稿できるんです。ユーザーに、直にコードを入れさせるんですね。任天堂のページにJASRACのぺージの見方が出ていて、「この数字を入れればいいですよ」と書いてあるんです。ボクはそれを見て「これは便利だな」と思って、ピコカキコの説明も「このページをみてください」ってことにしました。他力本願メソッドです。
── それでコードは取得できるとして、そのあとのJASRACとの手続きは末永さんがやってるわけですか?
末永 はい、いろいろ工夫してやってます。
続きを書くで、いいものがよりいいものに
── コミュニティーサイトとしての作りはどういう考え方なんでしょうか?
末永 ニコニコ大百科っていうサービスは記事ごとに2ちゃんねるのスレッドみたいなものがくっついていて、その掲示板の投稿としてピコカキコができる形になっているんです。その記事に貼りたい音楽をみんなで投稿していくっていう形になります。お題があって、それに対して書いていく。
── ピコカキコ専用のものではないけれど、スレに近い概念があって、それが並立していく感じですね。
末永 あと、ピコカキコに関していえば、「続きを書く」という機能があるんです。とてもよくできているのに、1音だけハズれてるデータがあったとしたら、「もったいない」と思った人が直してまた貼れる。そういったことが起こるコミュニティーができればいいな、って感じです。テキストデータだと他人のデータをみてもわかりやすいので。
── コミュニティー感みたいなものはどんなふうにできあがっていくんでしょう?
末永 ひとつアドバンテージなのは、ニコニコ動画のコミュニティーがあるということですね。ニコニコ大百科に流入してくるトラフィックは、ほとんどニコニコ動画経由なんです。ニコニコ動画にはタグがあって、そのタグに関する動画の一覧が出るんですけど、動画ごとに共通の文脈があるので、タグをクリックして大百科に来る人は、その動画に関する共通知識みたいなものが大体あるわけです。なので、その動画で使われている曲とかをピコカキコすると、すごく評判がよくなる。
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