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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第42回

ケータイが加速させるテレビ+ウェブの面白さ

2008年10月09日 15時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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ウェブサービスの架け橋としてのモバイル

 Yahoo! JAPAN for AQUOSはシャープのAQUOSとYahoo! JAPANとの間でがっちりとタッグを組んで開発し、2008年5月に発売されたRシリーズ、Gシリーズなどのウェブ接続機能があるAQUOSで利用することができる。フルハイビジョンモデルでかつ、より高品位な映像を求めるユーザー向けのモデルへの導入から始まっており、リビングで楽しむウェブとは何か、より美しく楽しむウェブとは何か? というテーマに対して1つの答えを出している。

 ログイン機能を絡めるパーソナライズサービスが始まるとしたら、20V型モデルなどパーソナルモデルでも利用できるようにしてはどうかと思ってしまう。しかし、書斎や子供部屋には個人のパソコンがあるので、テレビでウェブを見る必要はない。

 このように自分のライフスタイルを見渡しても、ウェブや映像コンテンツにアクセスする手段は、隙間を探す方が難しい。ケータイを使うなら、何か特徴的なオンリーワンのサービスを作らなければ、なかなか受け入れてもらえない。

 冒頭で紹介したように、Ethernet端子を搭載したテレビは増え続け、文字情報サービスやショッピング、ビデオレンタル、ハイビジョン映像など、ウェブを介してテレビを利用する方法が提案されている。

 またソニーのBRAVIAシリーズでは「アプリキャスト」というテレビ画面上でウィジェットを利用するサービスを始めた。特定の機能を持った小さなアプリをテレビに並べて、手軽にウェブ上の情報を切り出して使おうというアプローチである。

 薄型テレビが普及し、ウェブにつながるようになったときに、テレビの上でどのようにウェブを活用するか、という模索が進んでいるのが現在ではないだろうか。その中でYahoo! JAPAN for AQUOSは、ケータイを鍵として活用する方法に向かっている。

 ケータイそのものの機能やサービスが取り上げられることが多いが、生活の中で複数のウェブサービスの架け橋となる存在としてのケータイの可能性は、まだまだ大きく残されているのではないだろうか。


筆者紹介──松村太郎


ジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性について探求している。近著に「できるポケット+ iPhoto & iMovieで写真と動画を見る・遊ぶ・共有する本 iLife'08対応」(インプレスジャパン刊)。自身のブログはTAROSITE.NET



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