組み込み家電には新しいビジネスチャンスがある
――最近の市場を見ていますと、低価格・小型のNetbookが盛り上がっていたり、インテルが「Atom」のようなモバイル向けCPUを開発したりと、急速にモバイルとデスクトップの境がなくなっているような気がします。そのような流れの中でOperaはどのようなことをやっていくのでしょうか?
ダグ とてもいい質問ですね。先ほどの答えにもありましたが、我々のアドバンテージはいろいろなデバイスに適応できることです。特に携帯電話は、画面サイズが小さかったり、ボタンが少なかったりといった制限があります。
それでも我々はインターネットは1つだと考えています。これをOperaでは「One Web」と呼んでいるのですが、ユーザーはどのデバイスからでも、いつも見ているウェブサイトにアクセスしたいと考える。
我々はそれを実現すべくOperaをさまざまなデバイスに提供していますし、まだまだいろいろなデバイスにブラウザーを載せることができると考えています。これからの組み込み向け家電の世界には開拓地が広がっていて、いろいろなビジネスの可能性があるでしょう。メディアプレーヤーのようなデバイスや、デジタルフォトフレームのような新種のデバイスに対してもブラウザーを提供していくことでしょう。
――これからモバイルが発展していく中で、どういう技術がキーとなるとお考えですか?
ブレント どの技術が一番とは言いにくいのですが、最近はどのブラウザーもJavaScriptの解析能力を強化してきています。「Firefox」も次のバージョンで新しいJavaScript解析エンジンを搭載しますし(関連記事)、「Google Chrome」が採用した「WebKit」もかなりの速度を持っています。他社も携帯電話機で動くJavaScriptエンジンを意識しているのでしょう。
――最後にひとつ。今後Operaにとって競合となる存在は何でしょうか?
ダグ 3年ぐらい前だったら、たぶんマイクロソフトだと答えていたでしょう。それは、デスクトップでマイクロソフトがブラウザーを独占していたからです。ところがいまはいろいろなブラウザーが出てきて、我々の競合がたくさんいるという状況です。特にグーグルさんとか。でもどれほどライバルが多くても、我々は競争を歓迎していますよ。