旅行カメラで、アウトドア寄り、だからGPSが生きる
Y 「GR DIGITAL II」(関連記事)や「LUMIX DMC-LX3」(関連記事)と並べてみると金属の溝の使い方とかがうまいですよね。細かい部分だけれども。
E ローレットってさ、女の肌にはきつすぎる金属加工でしょう。痛点を生かして回転させるわけ。GPSからP(プログラム)に合わせるには、5コマ進めないといけない。そのために親指と人差し指に力を入れるんですが、その皮膚にローレットの山が突き刺さる。
COOLPIX P6000は、基本的に「旅行カメラ」で少し「アウトドア」寄り。そうじゃなければ「路上カメラ」という位置付け。このあたりがほかの高機能コンパクトとの違いかな。
Y でもニコンでいえば、この前のPシリーズもいろいろがんばってたんじゃないですか。COOLPIX5000系には手を出さなかったのに、なんでこれに引っかかったんですか!?
E それはGPS。
── GPSの魅力はなんですか。
E ~ん、歴史かな。写真ってたまってくると、どこで撮ったものか分からなくなるんですよ。旅行好きな私としては、がむしゃらに歩いたりするからさ。場所の情報も入っていると、自分がその日どう行動したかが一目瞭然になる。
最近、GPSロガーに凝っていて、ぶら下げて1日歩いたりするわけ。香港だろうが、ロシアだろうが、東京だろうが、台東区だろうが、GPSが僕をずっと見つめてくれることは素晴らしい。そのために、生産が終了した富士フイルムのリチウム単3電池を買い占めたばかり。Google EarthのKMLファイルが自動的に作成されたりして、家に帰ってパソコンにつなげばすぐにジオタグを貼ってくれる。
── そういう意味では来るべき時代をちょっと先取りしたカメラですよね。ニコンはたまに尖ったコンセプトのカメラを出しますが、このCOOLPIX P6000なんて典型例ですよね。
E これからは、GPSが当たり前になるんじゃないかなと。僕はHOLUXという台湾製のロガーを使っていて、パノラミノに上げたりしている。そんな感じで遊んでいたところにこの機種が発表されたんで、発売日に早速手に入れたわけ。
Y GPS内蔵でも工事現場で使うカメラみたいに、大げさになってないところがいいですよね。バーチカルに逃げようとしていない。
E 確かに無理をしてないんだよね。
Y GPSカメラを出すことが昔のように冒険になってないのかもね。
E でも新宿ヨドバシの店員に聞いてみると、発売日の朝からGPSに関して質問されたのは2人しかいないと言うわけ。GPSに対する関心はまだそれほどでもない。