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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第41回

CEATECで見つけた近未来社会のケータイ

2008年10月02日 22時30分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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リアルタイムに手書きをシェアするコミュニケーション

 最後に、シャープのブースで見つけたリアルタイム手書きチャットを紹介しよう。WILLCOM 03を利用したこのサービスは、Twitterにつながる面白さがある。

 

このデモはPHS回線を使ってリアルタイムに手書き画像を共有する仕掛けだ。Wi-Fiを使って手書きチャットを楽しむことができるニンテンドーDSと違い、PHS回線ならどこにいても落書きの共有が可能になる

 Twitterは目の前にある情報を共有した上で、5分程度のゆるい枠組みのコミュニケーションが発生しては消え、消えては発生する。iPhoneのGPS機能を活用し、位置情報を元にしてTwitterの書き込みを共有するアプリも登場した。様々なレイヤーのアドホックなコミュニケーションが組めるようになってきた。

 もちろんテキストやリンク、画像や位置情報といった情報が時系列に流れていくだけでも面白いのだが、時間や移動といった流れていく場をもっと密に共有する手段があってもよいのではないか、と考えるようになった。

 その1つの手段として、モバイル環境におけるリアルタイムな手書きチャットを考えていた。

 この手書きチャットのサービスが始まれば、教室では先生の写真に落書きをして、友人とコミュニケーションを取る女子高生が出現することだろう。新しい技術の活用は、そんなかわいらしいいたずらから始まるモノが多い。

 CEATECを見た来場者から、そういった遊び心溢れる利用方法が簡単に思いつくかどうか。この点は、技術が広まるかどうかの1つの指標になっているように感じる。

 もしこれからCEATECを見に行く方がいたら、新しい遊びを作るという視点で眺めてみてはいかがだろうか。


筆者紹介──松村太郎


ジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性について探求している。近著に「できるポケット+ iPhoto & iMovieで写真と動画を見る・遊ぶ・共有する本 iLife'08対応」(インプレスジャパン刊)。自身のブログはTAROSITE.NET



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