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これは見逃せない!国際航空宇宙展見学ガイド

あの「心神」を展示!……パシフィコ横浜で国際航空宇宙展始まる

2008年10月02日 17時58分更新

文● 吉田/Webアキバ編集部

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これは見逃せない!国際航空宇宙展ミニ見学ガイド

 さて、ミリタリーイベント情報でアナウンスしたように、国際宇宙展の見所を簡単にまとめてみた。もちろん、ここに取り上げた展示物以外でも、例えば弾道ミサイル防衛関連やJAXA関連などの見所が沢山あるので、ぜひ自分の目でご覧頂き、4年に一度のイベントを楽しんで欲しい。

未来の戦闘機はこんな形? 第五世代戦闘機を目指す「心神」登場!

「心神」

防衛省ブースに展示されている「全機実大RCS模型」

 やはり今回の航空宇宙展の展示の目玉は「全機実大RCS模型」、わかりやすくいうと実物大の実験機「心神」だ。
 この「心神」という名前だが、初めて聞く人も多いだろう。「心神」とは、防衛省技術研究本部が研究を行なっている開発計画の通称で、高い運動性能での飛行制御とステルス性能の両立を実証するためのプロジェクトだ。
 そのプロジェクトでステルス高運動形状の電波反射特性を実機サイズで検証するために用いられた模型が、今回ここに展示されているのだ。ただ、この機体自体には飛行能力は無いし、あくまでも研究途上の一形態の模型だ、ということをご理解頂きたい。
 なお、この「全機実大RCS模型」は撮影禁止となっている。今回、ここに掲載した写真は防衛省の許可を受けて撮影したものだ。

「全機実大RCS模型」機体前方写真。コクピットはかなり窮屈な印象だ

「全機実大RCS模型」各部。ちなみに全長約14メートル、全幅約9メートル、全高約4メートルと現用の戦闘機よりは一回り小さいサイズとなっている

乗り心地はいかが?ユーロコプターに君も乗れ!

 入り口すぐに出展しているユーロコプターだが、ここに展示されているヘリコプターNH90は、中に入ってキャビンやコクピットを実際に見ることが出来る。このNH90は、ヨーロッパのNHインダストリーズが開発した機体で、NATO軍の主力ヘリコプターとなっている。

外観はいかにも軍用ヘリらしい迷彩塗装が為されている

機体内部。コクピットやキャビン。キャビンは意外と狭い

いよいよ「実戦」配備、コンバットレスキュー塗装のUS-2

 新明和工業のブースでは、海上自衛隊で導入が開始された救難飛行艇US-2の模型が展示されていたが、青色に塗装された機体が目を引いた。新明和の方に伺ったところ、この青色塗装は実際に導入される機体で採用されたものだ、とのこと。最近は救難ヘリコプターなどもコンバットレスキューを想定した塗装になっているが、それと同じ方針の塗装ということだ。今まで試作機の赤色と白、青色と白のそれぞれツートンカラーの塗装のものだけを見慣れた目には、この青色の塗装は非常に新鮮だった。

US-2の模型

同じくUS-2。コクピットやプロペラ。そして黄色と青に塗り分けられた機体は消防飛行艇をイメージした機体、とのことだ

温故知新、日本のジェットエンジン開発はここから始まった

 IHIのブースには、旧日本海軍が開発し石川島造船所(現IHI)が試作量産を行なったジェットエンジン「ネ20」が今回も展示されていた。この「ネ20」だが旧海軍の特殊攻撃機「橘花(きっか)」に搭載され、終戦間際の昭和20年(1945年)8月7日に初飛行に成功した。展示されているネ20は、敗戦時に米軍に接収され、その後永久貸与の形で日本に戻ってきたものだ。

旧日本海軍の種子島大佐を中心とするチームが、BMW003Aなどドイツの技術を参考にしつつ開発したのがこの「ネ20」だ。ちなみにエンジン内タービンブレードに亀裂が見つかったため、残念ながら現状では運転は出来ないとのことだ

(次ページへ続く)

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