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松村太郎の「デジタルとアナログの間」 第2回

松村太郎の「デジタルとアナログの間」

TypeTrace

2008年10月07日 18時00分更新

文● 松村太郎

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創造の秘部と向き合う姿勢


デスク

dividualのボード。さまざまな項目が鮮やかな付せんに記されていた

 創造の過程は、自分の思考プロセスやそこから生み出されたモノとの対話が伴う。「TypeTrace」というエディターソフトは文章や言葉に関して、その対話を見事に記録可能にしたツールといえるだろう。この道具を十分楽しめるよう、遠藤氏、山本氏お勧めの「TypeTrace」の使い方を紹介しよう。

 まず論考を書くこと。漢字変換のプロセスが入る日本語は、ほかの言語より格段に面白い。ある漢字変換に触発されて前の文章を直したりするなど、非同期の同期性や共感本能的な反応を見ている感覚になるそうだ。また、ラブレターもいい。遠距離恋愛で従来の手紙を「TypeTrace」を使って書いたテキストで送ってみると、別の味わい深いやり取りが生まれる。

 そして、この原稿も「TypeTrace」を使って書いてきた。遠藤氏から伝わってきたメッセージと、自分の日ごろの思考がミックスされていく様子を、真っ暗な部屋で5時間23分にわたって眺めるのもまた、いい時間の使い方なのかもしれない。

デスク

dividualの新サービス「riguret(リグレト)」画面。「へこみ」や後悔、またそれに対する励ましコメントを投稿するコミュニケーションサービス。インターフェースがかわいい


ゲスト紹介


プロフィール

遠藤拓己氏(左)
(株)デヴィデュアル代表取締役兼エグゼクティブ・プロデューサー。'08年4月にドミニク・チェンとともに㈱デヴィデュアルを共同設立する

山本興一氏(右)
(株)デヴィデュアル取締役兼エグゼクティブ・クリエーター。'06年、イラストの執筆をそのプロセスとともに共有できるウェブサービス「noughts」を開発。'08年7月、(株)ディヴィデュアルに取締役として参画



(MacPeople 2008年9月号より転載)


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