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松村太郎の「デジタルとアナログの間」 第2回

松村太郎の「デジタルとアナログの間」

TypeTrace

2008年10月07日 18時00分更新

文● 松村太郎

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TypeTraceという筆記用具


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エディターソフト「TypeTrace」の再生中画面

 「TypeTrace」は、ディヴィデュアルのウェブサイトからダウンロードできる。このテキストエディターは文章を作るだけではなく、その筆跡──文章を書いている時間の経過も記録可能だ。「TypeTrace」の録画ボタンを押してからテキストを入力し、書き上げて再生ボタンを押すと自分がテキストを書いたキーストロークがそのまま、画面上に再現される。

──「TypeTrace」は、デジタルのテキスト入力を細かく記録している。再生時には、タイピングにかかった時間のデータを基に、単純なアルゴリズムで文字のサイズを設定して言葉に強弱をつけるエフェクトモードもある(遠藤氏)。

 頭の中で明確にイメージできた文章はすらすらとタイピングできるだろうし、考えながら文字を打つときにはそのスピードは遅く、書いては消し、再び書いては消し……という動作を繰り返すだろう。

 「TypeTrace」は、タイピングという行為を記録して再生することで、「デジタル化によって抜け落ちてしまうモノ」の存在に気づかせてくれる筆記用具なのである。


(次ページに続く)

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