ネット申請がダメなら電話でもいい
――削除申請にはどれぐらいの時間で対応しているのか。現在までにどれぐらいの削除申請があったのか、教えてほしい。
Walker氏 申請に対してはなるべく早く対応していきたい、というのがグーグルの方針だ。あいにく日本での数字は持ち合わせていないが、米国ではサービス開始から数ヶ月で数百件程度の削除要請をいただいた。
(グーグル日本法人 辻野晃一郎執行役員による補足) 削除申請へはある一定の時間を内部で決めて対応しているが、時間は公表していない。また、日本での削除申請の件数は非公表だが、いただいた申請にはすべて対応している。ご理解いただきたい。
――削除申請はインターネット上でしかできない。ネットを使えないユーザーに対する配慮はどう考えているのか。
Walker氏 第一に、友人や親戚に頼む方法があるだろう。加えて、電話の場合でも喜んできちんと対応させていただく。
――ストリートビューのサイトに電話番号の記載は見当たらない。サポート体制は強化できないのか。
Walker氏 電話番号の記載が分かりにくいのは申し訳ない。日本チームの今後の改善に期待する。
グーグルは小さなインターネット検索サービスに始まって急成長した経緯があり、システムの多くは自動化し、セルフサービスにせざるを得ないことをご理解いただきたい。ただ、この10年間でこれだけの大企業になった以上、より多くのお客様にサービスを利用してもらえるようにしたいと考えている。
(辻野氏補足) 電話での対応は現在、特別な窓口は設けていないが、グーグルの代表番号にかけていただければ担当者に回して対応する。カスタマーサービスは強化したいと考えているが、追いついていないというのが正直なところだ。
カメラの位置を下げることで高まるリスク
――訴訟リスクについてどう考えているか。これまでにストリートビューに関連した訴訟はあるのか。
Walker氏 米国で1件、訴訟が起こっている。私道と分からずに誤ってドライバーが撮影してしまったケースだ。すでに画像は削除したが、損害賠償を求められている。
当然、すべてのサービス/製品について、法的なリスクを検討しているが、既存の法規制にフィットしない新サービスには必ずリスクがある。その際は「多くの人にメリットがある」という利点をきちんと説明させていただき、理解してもらえるように働きかけていく。
――ストリートビューは日本国内の状況への配慮が足りない、との声がある。たとえば「カメラの位置が高すぎるのではないか」などの指摘だ。
Walker氏 カメラの位置についての指摘は認識している。そのほか、日本では表札の問題、道路の幅の問題などがあるとも聞いている。だが、たとえばカメラの位置を下げれば、今度は道路を歩いている人が写り込むリスクが高まるだろう。
我々は常に製品を良くしていきたいと考えているし、撮影方法の改善についても随時取り組んでいく。ストリートビューは日本でサービスが始まってまだ数週間だ。インターネットサービスの魅力は、サービスを提供しながら調整ができることだ。グーグルはさまざまなフィードバックに対して耳を傾けている。あらゆる点を考慮にいれて、製品をどんどん進化させたい。