タブ表示対応の「再生リスト」で、録画が多くても番組を探しやすく
BW830はGUIのデザインも含めて、操作関連にいくつも手を加えている。特に再生系の機能は、操作GUIのリニューアルと合わせて大幅な機能向上を図っている。
BW830で初搭載されたタブ機能の操作性は上々だ。BW800の「再生ナビ」は、番組を貯めすぎるとお目当てをとても探しにくくなる欠点があったので、なんらかのグループ分け機能が強く望まれていた。特に「ドラマ」や「映画」などジャンル別の分類方法は、従来からある「まとめ表示」と合わせて、操作性向上につながっている。
大容量の内蔵HDD(BW830は500GB)とAVC録画の普及によって、大量録画するユーザーの使い方を意識したデザインと考えていいだろう。
AVC録画はノイズ感を押さえて画質が向上
BW800からBW830の進化のひとつに、「アドバンストAVCエンコーダー」によるAVC録画時の画質向上が挙げられる。また、録画モードも従来の「HG/HX/HE」3モードに加えて、さらに長時間の録画が可能な「HL」モードが追加された。使用できる録画モードをまとめると、以下のようになる。
録画モードの一覧(録画時間は約) HLモードがBW830での新規追加で、他はBW800と同じ |
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録画モード | HDD 500GB | BD 50GB | BD 25GB | DVD 4.7GB |
地デジ(16Mbps) | 63時間 | 6時間 | 3時間 | ― |
BSデジ(24Mbps) | 45時間 | 4時間20分 | 2時間10分 | ― |
HG(12.9Mbps) | 80時間 | 8時間 | 4時間 | 42分 |
HX(8.6Mbps) | 126時間 | 12時間 | 6時間 | 1時間5分 |
HE(5.7Mbps) | 189時間 | 18時間 | 9時間 | 1時間40分 |
HL(4.3Mbps) | 252時間 | 24時間 | 12時間 | 2時間10分 |
BW830とBW800の録画モードは、HLモードの存在のみが異なる。HLモードで録画すると、HDD録画時間はついに200時間の大台を優に突破。50GBの2層式BDメディア1枚に24時間録画できる。超長時間録画のインパクトは大きい。1層25GBのBDでも、ドラマ1クールを収められる。また、格安の4.7GB DVDに2時間以上残せるようになったことで、コスト重視派にも非常に扱いやすくなった。
では、実際の録画画質を比較してみよう。サンプルに利用したのは地上デジタル放送のNHK総合「気象情報」で放送されたお天気カメラの映像。DRモードで録画した番組を、BDにダビングしながらAVCの各録画モードへと変換。それをD端子出力経由でキャプチャーしている。なお、掲載した映像は厳密にフレーム単位で合わせて撮影はしていないため、参考程度に見てほしい。
AVCで録画した際の全般的な傾向は、ビットレートの高い順にHG>HX>HE>HLと高画質になる当然の結果となった。ただし、BW800とBW830ではエンコーダーの性能に差があるようで、BW800のAVC録画で顕著に表れていた圧縮ノイズの発生が、BW830では大きく抑えられている。
特にBW800の傾向として従来からたびたび指摘されていた「テロップ周辺に発生するノイズ」が、BW830ではほぼ抑えられたことは大きな進歩だ。BW800の方が情報量が豊かに見える部分もあるものの、オリジナルのDRモードとの比較では、やはりBW830の方が原画に忠実だ。
BW830でドラマ、スポーツ、ニュースなどの映像をチェックすると、HXモードでも精細さとノイズの少なさの両面でバランスを取れており、より積極的に使いやすくなった。
新たに追加されたHLモードは、精細感こそビットレート相応に甘くなるものの、明らかな破綻はなく、BW800のHEモードと比較してもノイズ感はない。BW830のHLモードは、テレビから2.5m以上離れたくらい一般的な家庭での視聴距離であれば、ほとんど違和感のないレベルの画質に見える。実用性は高い。
また、従来からのDIGAシリーズの特徴としてAVCで録画した番組をDVDに保存する「AVC Rec」にも対応する。AVC録画に強いパナソニックという従来のイメージは、今年も通用しそうだ。