もうひとつ、絞り値が小さくなるほど、被写界深度(ピントの合う範囲)が浅くなる。例えば、F1.4で1mの距離の猫をAPS-Cサイズのデジタル一眼レフで撮った場合、ピントの合う範囲は2~3cmと、すごく狭いのだ。
ピントはシビアだけど、そのぶん背景が大きくぼけやすいというメリットもある。背景がボケると、被写体(つまり猫)だけがくっきり浮かび上がってくる。さらに、後ろに見えている部屋が多少散らかっていても目立たないのである。
よって、室内で猫をノーフラッシュで撮るときは、「50mm F1.4」がお薦め。なぜ50mmかというと、50mmの単焦点レンズが一番明るくて手頃な価格で買えるからだ。しかもAPS-Cサイズのデジタル一眼レフに装着すると、ほどよく「ちょっとだけ望遠」になるので、室内で飼い猫を撮るには扱いやすい画角なのである。
夜の室内だと、だいたいISO1600 1/200秒でこんな風に撮れる。題して、深夜の猫相撲「大五郎(6歳)vs かふか(5ヵ月)」。
ちなみに、最後にはたいてい大五郎が戦いを嫌がって逃げます。子猫は強し。
筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月撮影撮影何かしらの新型デジカメのレビューをしている。趣味はネコと自転車で、天気がいい日は自転車で都内を走り回りながら面白いものを見つけては撮影する日々。最近の単行本は『デジカメ撮影の知恵』(宝島社新書)。密かにネコ動画ポッドキャストも更新中。
*次回は10月1日掲載予定
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