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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第9回

新LOOX Uに見る「Atom」の真の実力

2008年09月22日 09時30分更新

文● 西田 宗千佳

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本体デザイン変更で、ポインティングデバイスも使いやすく


 ポインティングデバイスはディスプレーヒンジ近くの左右に配置されている。回転式のディスプレーと並び、前モデルと共通の特徴だが、デザインが変更されたせいか、やはりこちらも使いやすくなっている印象だ。

ポインティングデバイス部は、前モデルからあまり変化していない

ポインティングデバイス部は、前モデルからあまり変化していない。本体が多少持ちやすいデザインになったせいか、操作はしやすくなった印象だ

 拡張コネクタ類は前モデルと同様である。本体にはCFスロットとUSBがひとつ、SDメモリーカードスロットと最低限のみ装備。付属のアダプターを使えば、外部ディスプレーおよび有線LANも利用できる。サイズとのバランスを考えれば、おおむね満足すべき内容といえる。

左右側面

右側面(写真上)にCFカード、左側面にSDメモリーカードとUSBがある

外部ディスプレーとEthernetを接続するアダプター

外部ディスプレーとEthernetを接続するアダプターは前面のコネクターにつなぐ。配置の問題でつなぎっぱなしで使うのは難しく、「緊急用」といった趣き。ここは修正してほしかった

オプションの「専用ポートリプリケータ」。LOOX Uを立てて置く独特の形態。背面にはディスプレー出力やLANポート、USB×3がある


発熱は意外と小さく快適


 旧LOOX Uは「遅い」「熱い」が問題点として挙げられていた。Intel A110というCPUが、Windowsを動かすのに性能面でギリギリだった、ということもあったが、それ以上に、UMPCでの熱設計がまだこなれていなかった、ということが大きかったようだ。

 CPUがAtomになり、そこがどうなるのか? LOOX Uのファンのみならず、Atomに期待するユーザーの多くが気になるところだろう。

 もちろんAtomになったからといって、すぐに「速い」「熱くない」に変わるわけではない。多くのAtom採用NetBookは、性能面ではそれなりの満足を得られているが、発熱もそれなりにある。

 新LOOX Uはどうだろう? ひとことでいえば、「優秀」だ。

 通常の利用では、本体温度は35度から38度程度とすこし温かい程度。放熱口は底面にあるが、少し奥まっているため、膝の上などで使っても、底面が熱いと感じることは少ない。意外なことに、通常触れる部分でもっとも熱いのはキーボードの右上部だった。と言っても、気になるほどの熱さではない。常に触れつづけている部分ではないので、熱さを感じにくいのもポイントだ。

表1 各部の温度 放射温度計による測定、外気温は28℃
キーボード右上側 底面の最大発熱部 排気口内部
アイドル時
(省電力ON)
約38.5度 約34.1度 約39度
フルパワー時
(省電力OFF)
約40度 約38.4度 約40度

 UMPCは一般的なNetBookに比べて、「熱い」と使いにくいものだ。NetBookは机に置いて使うことが多いものだが、UMPCはその小ささゆえに、両手に抱えて立ったまま使うことも多いためだ。

 LOOX Uの場合、手に抱えると放熱ファンからの排気が当たりやすくなるため、さすがに多少温かさは感じるが、それでも不快さは感じない。

 ファンの騒音もほぼ気にならない。LOOX U前モデルは、「処理負荷が高まった際にファンの音が大きくなる」という声が多かった。新モデルではそのような問題もない。

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