低価格Atomノートが揃い踏み！

DELL？それともEee PC？ミニノートの選び方

2008年09月20日 10時00分更新

文● ヤシマノブユキ

バッテリー駆動時間で選ぶ

　今回比較した5機種は、消費電力に直結するCPUやディスプレーのスペックがほぼ横並びとなっている。そうなると、他社の大容量タイプに匹敵する（あるいはそれよりも多い容量の）バッテリーパックを標準搭載するEee PCが断然有利なのは明らかだ。実際に連続駆動時間を測定したところ、Eee PCが他機種の2倍以上の約5.5時間をマークした。

　Eee PCのバッテリーの減り方はきわめて緩やかだ。しばらくネットサーフィンに没頭していても「まだこんなに残っているのか」という安心感がある。

　Inspiron Miniの粘り方はそこまでではないが、それでも公称値に迫る3時間30分程度は使えた。こまめな節電を励行すれば、朝家を出てから夜帰宅するまで、どうにか持ちこたえられるだけのスタミナはある。

　逆に言えば、それ以外の3機種はみるみるうちにバッテリー残容量が減っていくというのが実感だ。おおむね2時間程度ネットサーフィンできればいい方だろう。

　なので、Eee PC以外の製品を選ぶ場合はオプションの大容量バッテリーパックもぜひそろえておきたい。価格と発売時期は、Aspire one用のものが、9000円前後/10月初旬発売予定、Wind Netbook用のものが1万5000円前後/9～10月頃発売予定、などとなっている。

バッテリー駆動時間の比較
機種名	Eee PC 901-X	Aspire one	Wind Netbook U100	Inspiron Mini 9	M912X
ベンチマーク結果（標準バッテリー）	約5.5時間	約2.2時間	約2.1時間	約3.5時間	約2.2時間
公称時間（標準/オプション）	約8.3時間	約3時間/ 約7時間	約2.5時間/ 5時間	約3.7時間/	約3時間/
充電時間	約3.5時間	約2時間/ 4時間	非公開	約4時間	約2.5時間

^{※「BBench」（作者：海人氏、フリーソフト）を使用し、1分おきにウェブ巡回、10秒間隔でキー操作をそれぞれ自動で行なった場合の標準バッテリーの連続駆動時間を、無線LAN（Eee PCはIEEE802.11n、それ以外はIEEE802.11g）環境で測定した。液晶輝度は最大。電源プランは「ポータブル／ラップトップ」。}

処理性能の高さで選ぶ

　今回の5機種は、CPUやメモリーのスペックは横並びだ。実際に、ベンチマークソフトのPCMark05で総合的な処理性能を測定してみたところ、スコアはほぼ同じ結果になった。あとはメモリー増設の可否やHDD/SSDの容量を参考に選んでいこう。

　このクラスのPCは、Atom搭載機の中でも比較的安価な機種を想定した「Atom N」シリーズを搭載するが、いろいろ試してみたところ性能面での制約は少ないようだ。

　例えば、1世代前のUMPCが搭載する「C7-M ULV」や「Geode LX800」では「YouTube」や「ニコニコ動画」視聴時のコマ落ちが目立っていたが、Atomではいずれの動画もスムーズに再生できる。さすがにHD画質の「eyeVio」は動画として成立しなかったが、Atomになってようやく動画をまともに楽しめるレベルになったのは確かだ。

　3D描画性能や最低限1024×768ドットの解像度を必要とする「Google Earth」や「Second Life」といったヘビーなソフトについても、起動時に解像度不足の警告が表示される機種がある（Aspire oneとWind Netbook、Inspiron Miniの場合）ものの、実際はどの機種でもほぼ支障なく楽しめる。ミニノートとは言え、想像以上に実用的だと考えていいだろう。

　ただし機種によっては放熱が気になる。特にEee PCとAspire oneは使い出すとスグに底面が熱くなり、左側面の排気口から熱風も吹き出す。M912Xはキーボード面の右半分（タッチパッドやアームレストも含む）がかなり熱くなる。いずれの機種も膝の上に乗せたままでの長時間作業などは難しいと考えた方がいいかもしれない。

　一方、Wind NetbookとInspiron Miniは放熱用の切り込みが豊富で、底面の熱気、排気口からの熱風、排気音ともほとんどなく、使っていてとても快適だ。

ベンチマーク結果
機種名	Eee PC 901-X	Aspire one	Wind Netbook U100	Inspiron Mini 9	M912X
PCMark05による CPUスコア	1283	1380	1523	1318	1521
起動時間	約30秒	約53秒	約41秒	約26秒	約41秒