(株)アーク情報システムが26日に発売する「HD革命/Eraser Ver.2」は、パソコンを廃棄したり、オークションで売ったりする前に利用したいデータ消去ユーティリティーだ。価格は5229円。
「ゴミ箱を空にする」を実行しただけでは、HDDからデータが完全に消去されない──。パソコンに詳しい人ならまだしも、不慣れな人にとって、これはあまり知られていない事実だろう。
簡単に言えば、パソコンはHDDにファイルを保存する際、実際のデータとHDDのどこにデータを収納したかを示す目次のデータを書き込んでいる。このうち「ゴミ箱を空にする」で消されるのは目次のみで、実データは残ってしまう。この状態でデータ復元ソフトを用いると、消したファイルが復活する可能性があるというわけだ。
データ復元ソフトは、誤ってファイルを消してしまったときには役立つが、自分のパソコンを売ったり譲ったりする際、その相手に使われてしまうかもしれない。つまりプライバシーの保護や個人情報の流出を防ぐためにも、パソコンを誰かに渡す前には、ツールを使ってHDDを完全消去しておくのが望ましい。
Windowsから起動して、HDDの全領域を消せる
HD革命/Eraser Ver.2では、Windowsにこのソフトをインストールして起動OSを含むすべての領域を消去するという新機能を用意する。従来版はCDやフロッピーディスクから起動して消去を指示していたが、パソコンに慣れていない人にとってCDから先に起動するよう指定するだけでも難しい作業だった。最新版では、より手軽に完全消去が実行できるだろう。なおインストールして消去できるOSは、Windows Vista/XP/2000だ。
もうひとつ追加で大きいのが、HDDのリカバリー領域を残したまま完全消去を行なえるようになったということ。メーカー製パソコンでは、OSと付属ソフトを購入時の状態に戻すために、HDDの一部をリカバリー領域として確保しているものがある。オークションでパソコンを売る前にHDDの完全消去を実行し、リカバリー領域で元の状態に戻すという使い方が可能だろう。