新しいインターネットサービスや企業が集まるTechCrunch50。1日目に続いて、2日目の様子もお伝えしよう。
2日目の今日は7時半に会場入り。TechCrunch50の提唱者の一人Jason Calacanisから参加者に届いたメールによると、前日つながりにくかった会場の無線LANをなんとかすべく、夜を徹して増強したという。1500台近いPCをサンフランシスコ郊外の倉庫の中でネット接続させようとする訳で、パワフルさがこういったところにも現れているように思えたのは私だけであろうか?
さて、その2日目。前日同様4つのセッションが行われる。本家TechCrunchや他サイトでもレポートが出てきているので、この記事ではセッションの内容が何を示唆しているか、今Webが抱えている問題にどのような影響を与えるか、といった分析も交える形でお送りする。
Session 5:「Collaboration」
マッシュアップの主戦場、それゆえに……
Tingzは既存のWebサイトにプラグインされ、iPhoneを含むクロスプラットフォームに商品・レストランなどのサービス情報を転送し、友達とシェアできるというもの。多彩な端末と連動できるという点は審査員から意外にも評価されず。「スタートアップはフォーカスを絞るべき」という大原則がここでも強調されていた。
MIXTTは互いが興味を持った友達グループ同士をソーシャルネットワークでつなぎ、リアルな出会いを提供するサービス。Facebookが友人(個人)の近況を確認する用途がメインなのに対して、こちらはグループ同士というのが目新しい。もっとも合コン前に果たして相手グループの写真やプロフィールを確認したいかどうかは日本では微妙かもしれない。
IMINDI(I Mind I の意味)はマインドマップのインターフェイスをWebで実装。他人の思考プロセスを参照・インポートすることができる。Popegoはソーシャル情報をアグリゲーション(一カ所に集約)するもの。興味の対象をカスタマイズし、各サイトからのメタ情報を元に、別のサービスとの親和性をパーセント表示してリコメンドというアプローチはユニーク。
この分野は激戦区で既に良くも悪くも枯れたサービスも多いがゆえに、審査員たちのコメントも「コミュニティの安全をどう保つのか?」「どこでマネタイズするのか?」とかなり厳しい突っ込みが入る。もはやビジネスモデルを確立してから臨まないと、スタートアップは厳しい分野となっていると言えるだろう。
またRSSなどを用いることで、ソーシャル情報は比較的簡単に扱えるようになったが、問題はその先。集めてきた情報を元に、どのようにユーザーに新しい提案を行うのか? といったインテリジェントな「機能」が求められる段階になったと言えるだろう。そうでなければ簡単に真似されてしまうのである。
Session 6:「Finance&Statistics」
サブプライムショック後の処方箋
PERSONALRIAは、ファンドマネージャ達のリコメンデーションを元に、利用者がポートフォリオ設計を行える。Emerginvestは、北米からみた海外の様々な投資情報を扱う。情報は世界中のYahooファイナンスから引っ張ってくる。exchangePは仮想株取引の環境を提供することで、投資トレンドの最適化を図る。
審査員からも真っ先に指摘があったように、サブプライムショック後、投資マネーは行き場を探している。そこには大きなチャンスがあり、市場が冷え込んでいるいまこそ、こういったサービスを仕込んでおくチャンスだと言える。
統計関係については2つのデモが見られた。Me-tricsは“Google Analytics in your real life”、つまりGoogle Analyticsを生活に持ち込もうというコンセプトの元、個人の健康(血圧やストレスレベルなども含む)を管理する。自分自身の健康について統計を取るというのはおもしろいが、入力の面倒くささをどう解決するかという問題が大きい(そう考えると、WiiFitは非常に優秀なデバイスである)。
Web上に4000万以上存在するといわれるグラフ。しかし、そののグラフのほとんどは単なる画像でしか無く、検索したり再利用する時に融通が利かない。そこで「icharts」はよりWebに適した形に変換して、アップロードするサービスを提供する。シンプルだが研ぎ澄まされたアイディアが光る。