鶴の一声で決まったリニューアル
絵文字のリニューアルを担当したソフトバンクモバイルの朝倉淳子氏に聞いた。
「ソフトバンクの絵文字は、J-PHONEの頃から基本的には変わっていませんでした。ディスプレイの解像度で多少デザインが変化している程度です。J-PHONE時代、一気に絵文字の数を増やしたことがあり、現在は471文字。そのうち173文字のデザインを今回変更しました」(朝倉氏)
今回特に力を入れたのは、顔の表情だ。顔の絵文字は、言葉の表現を補足したり、意味を強調したり、あるいは柔らかくしたり、テキストコミュニケーションの中で非常に微妙なニュアンスの伝達を担っている。
「孫社長はもともとドコモユーザー。ムンクの叫びに似た絵文字がお気に入りでしたが、既存のソフトバンクでは青ざめた顔がそれに相当します。これはユーザー間の温度差がありすぎます。ずっとJ-PHONE、Vodafone、ソフトバンクのケータイを使ってきた社員とは違い、他のキャリアを使っているからこそ、表現の違いが気になったそうです」(朝倉氏)
最初は顔の絵文字だけを変えていく予定だった。しかし、順番に各社の絵文字と比較していくと、孫氏も各社それぞれの表現が全く違うことに気付いたそうだ。他社のケータイと同じニュアンスが伝えられるような「互換性」が重要である点を改めて感じることになった。
この連載の記事
-
第100回
スマホ
ケータイの“ミクロな魅力”とは、なんだったのか? -
第99回
スマホ
フォロワー計32万人の2人が語る2009年のiPhoneとメディア -
第98回
スマホ
写真で振り返るケータイ10のミクロなシーン -
第97回
スマホ
ケータイが支える、マイクロ化と遍在化するメディア -
第96回
スマホ
ノマドワークのインフラをどう整えるか? -
第95回
スマホ
冬春モデル発表会で見えた、本当に欲しいケータイ -
第94回
スマホ
デザインから考える、ケータイのこれから -
第93回
スマホ
次の自動車社会とケータイとの関係 -
第92回
スマホ
モバイルアプリを実際に作るにあたっての考察 -
第91回
スマホ
楽しい使い方は現在模索中の「セカイカメラ」 -
第90回
スマホ
iPhoneと過ごしたNYとメキシコの旅でわかったこと - この連載の一覧へ