個人情報を「カード」に書くところから保護していく
―― いきなりですが、パスワード保護技術の「新しさ」ってどこなんでしょう?
長島 技術はもちろんなんですが、アプローチの仕方が変わっているんですね。イメージの話になりますが、従来のセキュリティーソフトは個人情報の書かれたデータをまず「カード」のようなものにしていました。そしてその個人情報が入った「カード」をソフトが保護するので大丈夫、という仕組みだったんです。
当然カードに個人情報を記入するときは保護されていません。そこから盗まれてしまう可能性を防ぐのが今回のアプローチです。「テキストを入力している時点から暗号化する(ローカルSSLの128ビット暗号化)」に加えて「通常のキー入力の伝達ルートをバイパスする」という2つの方法を組み合わせることで独自機能を実現しています。
「安全」なのに「サクサク」、秘密は検索エンジンの改善にあり
―― 買い物をするときはカードの口座番号も気になりますが、そちらは。
長島 まだパスワードフィールドのみの保護ですね。ウェブブラウザー上で入力する際に「(強制的に)半角英数字しか受けつけない」というフィールドを特定して保護している形なんです。ファームアップも前向きには検討していますが、今のところは未定です。
―― もう1つの魅力、メモリー使用量を45%削減できた理由を伺いたいのですが。
長島 最も大きいのは(ウイルス)検索エンジンの改良ですね。これからも速度は改良の努力をしていくつもりです。他のソフトと違い、セキュリティーソフトで重要なのは「いかに目立たないか」ということです。その面でも今回の“軽快化”はとても重要な点だったと考えています。