いよいよ今回の総火演特集レポートも本編で最後となった。今回、ASCII.jpでは初の夜間演習取材と言うことで、取材班のテンションは高まるばかり。しかし、強まる雨に下がる気温と、取材には不利な状況が強まりつつあった!!
ということで、前編「雨の御殿場に鋼鉄の虎を見た! 」中編「後段演習開始!全兵科協同の技を見よ!! 」に引き続きいよいよ火力演習レポート最終となる本編をお送りする!
インターミッション
1345 東富士演習場・報道向け駐車場 天候:雨
日中の取材は終了ということで、ひとまず会場から撤収することとなった。
機材を担いで駐車場に戻る途中、Y戦車部長が何かを撮影し始めた。
「おお、塗装違いの軽装甲機動車が3台並んどる。撮ってくれと言わんばかりだ」
たしかに関係車両の駐車場に並んでいる。
「プラモデル的に云うと一番左が、エアブラシを使って高級感を出しているネ」
眼の付け所が違う、というか何かが大きく違うY戦車部長だった。
雨に打たれたせいか取材陣のテンションもやや下がり気味だ。筆者に至ってはまっすぐ歩いているかも怪しい。車に戻ると、疲労と睡魔が一気に襲ってきた。
車を止めるたびにハイテンションで「どっかーん」と叫んでいた藤吉カメラマンもやや小声になり、120㎜滑空砲から81mm迫撃砲ぐらいにトーンダウンしている。Y戦車部長も顔は疲れているが
「いや、軍装の令嬢いたよね」
やはり眼の付け所が違う話をしている。
窓の外には雨と霧の水田が広がっており、たまに濃緑色に塗装された自衛隊車両がすれ違う。
「ここはまるでプノンペン郊外の田園ですね」
筆者もかつて見た光景がフラッシュバックし、現実を無視した妄言をまき散らした。
雨脚は激しくなるばかり。昼食を取ってそのまま演習場に戻る案が出ていたが、筆者の体調が怪しい状態。カメラのバッテリー充電のこともあり、宿に一旦戻ってもらうことになった。
雨の進軍 泥沼踏んで ライター倒れる捨てては置けぬ
取材班は天候回復を祈念しながら、そのまま仮眠を取ることとなった。
(次ページへ続く)