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平成20年度富士総合火力演習レポート(前編)

雨の御殿場に鋼鉄の虎を見た!

2008年09月08日 20時00分更新

文● 片田 本朔 / 写真と解説● 藤吉 隆雄・吉田/Webアキバ編集部

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 車両が停止すると朝の静寂が戻ってきた。配置についた車両からは隊員たちが降り、細部の点検が行なわれる。本番とは異なり、場内の詳細な解説アナウンスは無い。緊張のあまりカメラを握る手も汗ばむ。
 鋼鉄の巨獣のごとく前方に並んだ90式戦車が朝一番の咆哮を上げた!
 静寂を打ち破る一撃は、眠気を完全に吹き飛ばした。その後、続々と車両、火砲が入場し本番さながらの射撃を行なう。
 雨が再び降り始めたが、中止はない。気になると言えば標的がある目標地域にガスが掛かって見えなくなっていることだ。

 火砲が唸りを上げている手前では、偵察小隊の隊員たちバイクのジャンプ台を点検していた。後出の装備品展示で紹介するが、ジャンプ台の下には意外なものが置かれている。

ジャンプ台を点検する偵察教導隊のジャンプチーム

ジャンプ台を点検する偵察教導隊のジャンプチーム。過去には朝の点検で不具合が発見されて、予備のジャンプ台に交換したこともあるそうだ

 偵察用バイクは2001年からカワサキKLX250が導入され始めたが、演習に参加するKLXの中には一台だけXLR250Rが混ざっていた。空冷エンジンのホンダXLRもまだまだ現役。昔乗っていた筆者としてはうれしいところだ。
 世界中に輸出されている名車だけに、陸自の偵察バイクに関しては、世界のトップクラスの装備といえるのではなかろうか。某国革命防衛隊のパトロールが原付バイクで現われた時は、石ころだらけの砂漠をこんなバイクでパトロールする気かと驚かされたものだ。

通常は4名一組で行動する偵察部隊のオートバイチームだが、朝の点検のときは指揮官を含めた5名で登場

 早朝演習が終了。本番を前に施設科の重機がフィールドを均す。戦闘車両でこそ無いが、これはこれであまりみられない車両である。小型ドーザ、タイヤローラ、グレーダなど大集合した。本番に向けて興奮が高まる。

グレーダ

グレーダは除雪作業などでも使われる車両だ。愛嬌のある姿が筆者のお気に入り

油圧ショベル

油圧ショベル Y戦車部長の指摘で74式戦車と同じ迷彩なのに気付く。目の付け所が違う

(次ページへ続く)

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