達人たちが語る思い出の「実績」とは
最初に巽氏から出されたトークのお題は「思い出の実績」について。数万ものゲーマースコアを獲得している各メンバーからは基本的に苦労の末に獲得した「実績」について語られた。
中でも特徴的だったのは人が集まりにくくて解除できない実績モノ。松井氏はXbox LIVEアーケード「Double D Dodgeball」での実績「パーティープレイ」(8人でのLIVE対戦を行なうのが条件)、いち氏は「NBA Live 07」での実績「1000人オンライン」(1000人がオンラインになっている状態でオンラインに入るのが条件)をそれぞれ挙げ、特にNBA Live 07ではこの実績を解除するイベントが世界的に行なわれたときにようやく解除できたという。
どんな実績を設定するのがいい? 「理想の実績」
理想の実績と言うと一概には言えないが、オンライン対戦要素があるものについては、「ランクマッチのみしか解除できなくて、対戦に関係ない実績はやめてほしい。真面目に対戦したい人と解除したい人が混在してしまうのは良くない」という意見が寄せられた。
また、「ゲームのデザインにあった実績が好ましく、クリアーして半分くらいを解除するのがいい」という意見については筆者も賛成。Xbox 360で最も売れたタイトルとしてRPG「ブルードラゴン」があるが、このタイトルは実績のほとんどがやりこみ要素に関わっており、筆者はクリアしたものの実績は30しか取れなかった。その1年後に発売されたRPG「ロストオデッセイ」では、その辺りを考慮したのかクリア時の実績が600前後となっていた。
普段の業務でも実績の設定には厳しいというX氏は、「今までのゲームというのは売ったら売りっぱなしで、買ったユーザーがどういう遊び方をしているのかが見えなかった。でも、実績によってどのあたりまで解除するのか、どの順番で解除しているのかといった遊び方が分かる。真面目に作るメーカーにとってはニーズを探るのにも有効なので、50個きっちりと設定して、文章もちゃんと書いて欲しい」と語った。いち氏からも「こうやって遊ぶと実績も解除できて、遊び方やゲームの良さが見えてくるといったような実績が欲しい」と要望が寄せられた。
実績にはどんな効果がある?
「実績でよくあるのが“○○時間プレイした”という実績。ソフトを延命させるために実績を設定するのは間違いだし、実際に効果はない。RPGとアクションでの時間の感じ方の違いも考慮すべき」(盛氏)といった意見や、「マーケティング的な観点でもまだまだ研究の余地がある。実績を研究すれば次のタイトルに繋げやすい」(松井氏)などの意見があった。
また、盛氏は現在製作中のシューティングタイトルについて、「今のシューティングゲームはコア向けになってしまっていますが、初めての人にも遊んでもらえるような実績が作れないかと考えています。また、どちらもシューティングですが、遊び方が違うゲームなので、それを教えられるような実績が作れれば」とのこと。
X氏はゲーマースコアをたくさん獲得するには「ゲームが上手い」「ゲームをたくさんプレイする」「ゲームを長い時間プレイする」といった3つの要素を挙げ、「自分はみんながビックリするくらいゲームが下手なんだけど、すごくたくさんのタイトルを、時間をかけてやっているから10万まで行っているんですよ。逆に盛さんはどちらかというとやりこむ派。同じようなゲーマースコアだけど、色んな人にプレイの質・価値というものを与えられるのが実績というものである」と語った。
X氏はさらに「実績はマイクロソフトというメーカーが一律でやっているサービスだから価値があるんです。マイクロソフトのゲーマースコアを持っている、という価値。(日本で)お小遣いにジンバブエドルをあげると言われてもうれしくないでしょ?」と会場の笑いを誘った。
その上で「次のアップデートではもっともっと価値を上げてください」とムチャな要望も。
もしゲーマースコアが何かに交換できたら?
今まで貯めてきたゲーマースコアが何らかの金品に交換できたらどうしますか? という問いに関しては、全員が「NO」と表明。盛氏やX氏は「金品に交換できるようになったら、もうXbox 360のゲームをやめます」とまで言い、松井氏も「何にもならないからイイ。プライスレス! ゲーマースコアを渡すということは魂を売ることですよ」と語った。
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