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インストールの穴までまるわかり!

Windows Home Server日本語版はこうなった!

2008年09月07日 10時00分更新

文● 山本雅史

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AHCIはインストールの落とし穴?

 WHSは「Windows Server 2003 R2 x86版」(以下WS03)をベースとしたOSだ。そのためデバイスドライバーには、WS03用のものを利用できる。マザーボードや各パーツにWS03用ドライバーがなかったら、Windows XP用のドライバーを流用もできる。ただし、24時間つけっぱなしで運用するホームサーバーである以上、安定した運用を目指すためにも、WS03用のドライバーを捜して利用した方がいい。

 インストールメディアから起動して、WHSをインストールしようとすると、インストールプログラムはWindows Vistaと同じく「Windows PE」(Windows Preinstallation Environment)で起動する。そのためインストール画面は、非常にユーザーフレンドリーに作られているのだが、ここに落とし穴がある。

Windows Home Serverのインストール開始画面

Windows Home Serverのインストール開始画面。Vistaと同じくWindows PEベースなので、操作しやすい。

インストール時の設定項目は、Windowsのインストール経験がある人なら簡単にできる程度

 WHSのインストールプログラムは、接続されているHDDを検索して、HDDフォーマットや必要なファイルのコピーを行なう。このとき、SATAのHDDが高速な「AHCI」(Advanced Host Controller Interface)に対応していても、Windows PEは従来のATA(IDE)としてインストール作業を行なう。

 ところがWindows PEでの作業が終わってマシンが再起動したときに、HDDやチップセットがAHCIモードを利用していると、ブルースクリーンが出て、インストールがストップしてしまう。この原因は、WHSの元になっているWS03が標準ではAHCIをサポートしていないためだ。

 これを回避するには、再起動後に表示される「Windows Setup」と書かれた画面で、F6キーを押したあとにSキー(Specify Additional Device)を押し、フロッピーディスクからAHCIのドライバーを導入しなければならない。しかもこのドライバーは、Windows上でインストールするドライバーではなく、フロッピーディスクから導入できるAHCI用ドライバーを用意する必要がある

ここが問題のAHCIの落とし穴。ここでF6キーを押す

ここが問題のAHCIの落とし穴。最初の再起動時、Windows Setupと表示されている際に、画面の指示(赤枠内)に従ってF6キーを押さなくてはならない

ここではSキーを押して、フロッピーからドライバーを導入

F6キーを押すと、WHSのインストールディスクに含まれていないディスクドライバーをインストールするプロセスに進める。ここでさらにSキーを押して、フロッピーなどからドライバーを導入する

 必要となるのは、WHSのインストールされるプライマリ・ドライブを動かすためのドライバーだけだ。HDD以外の周辺機器用ドライバーは、この時点でインストールしなくても後から導入できる。マザーボードによっては、USB接続のFDDやUSBメモリーを代わりに利用できる。その場合は古いIDE接続のFDDをわざわざ探してこないですむ。

 Sキーを押すと、「記憶域ドライバーを追加で読み込みますか?」というウィンドウが表示されるので、ここで「はい」を押して、FDDやUSBメモリーからドライバーを読み込めばいい。後は自動的にインストールが進んでいく(40分ぐらいかかる)。

 なお、ここではAHCIモードのHDDをインストールする場合を紹介したが、インテルチップセットでRAIDモードのHDDを使用する場合も、同様の手順が必要になる。

管理者パスワードを設定

数回再起動を繰り返したのち、インストールが済むとセットアップに進む。管理者パスワードを設定する

Windows Updateを有効にして更新プログラムを導入

マシンがネットワークに接続できる状態にあれば、Windows Updateを有効にして更新プログラムを導入する

 WHSはマシンがLANに接続している場合、インストール中にWindows Updateを実行して、OS環境を最新の状態にする。ただし、OSインストール時にネットワークカードのドライバーが正常にインストールされない環境では、LANに接続できないので実行できない。インストール終了後に各種ドライバーをインストールして、サーバーをきちんと動作するように設定する必要がある。ドライバーインストールの作業はリモートでは行なえないので、インストール時だけはサーバーマシンにディスプレーとキーボード、マウスを接続する必要がある。

 OSインストール後にも、Windows Updateで各種更新プログラムを導入する。WS03用の各種更新プログラムが多数リリースされているので、最終的にアップデートが終了するまでは、ある程度の時間が必要になる(筆者の環境では30分ほどかかった)。

 WHSはインストール時にプロダクトキの入力を求められる。しかしVistaと同じく、プロダクトキーを入れなくても30日間は試用できる。インストール後に30日経過したら、プロダクトキーを入れてライセンス認証を行なう必要がある。

Windows PEの段階で、プロダクトキーの入力を求められる

Windows PEの段階で、プロダクトキーの入力を求められる

ライセンスサーバーに関する障害は、9月6日付けで復旧され、現在はライセンス認証可能となりました。それにともない、該当する記述を修正いたしました。(2008年9月8日)

インストール直後のWHS

インストール直後のWHS。スタートメニューには最小限の項目しかないが、管理コンソールが使えれば問題ない

デフォルトで作成される共有フォルダー

デフォルトで作成される共有フォルダー。ビデオや音楽はWindows Media Connectを通じて、Xbox 360やDLNAクライアントからもアクセスできる

共有フォルダーのプロパティ

共有フォルダーのプロパティでは、アクセスできるユーザーを制限したり、フォルダーを二重化するかなどを設定できる

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