大きな意味を持つメディアテックの存在
製造に要する技術レベルで比較した場合、山寨機ことノンブランド携帯電話を販売することと、PCを自作することやパーツショップがショップブランドのPCを販売することは、やはり異なる。
いくら中国でも、PCのようにパーツを買って組み立てれば携帯電話ができ上がるなんてことはない。そこまで簡単ではないが、少し技術があれば携帯電話の部品が集められて、作れるという環境にはある。
ノンブランドの携帯電話工場が集中する広東省では、台湾の大手ファブレスLSIメーカー・メディアテック(英名:MediaTek、中国名:聯発科技)が開発した、デジカメ機能や音声/映像ファイル再生機能を搭載した携帯電話用LSIを使って、製品が組み立てることが多い。
メディアテックの携帯電話向けLSIによって、山寨機が飛躍的に作りやすくなったため、同社は「山寨ケータイの父」と呼ばれている。広東省の電脳街ではICパーツを販売するビルも存在するし、数人規模の小工場で携帯電話機を作っていてもさして不思議な話ではない。
小規模工場によるノンブランドのIT製品製造は、携帯電話機が初めてではない。以前には(そして今も)MP3/MP4プレーヤーもまたノンブランドの商品が多数作られている。中国のLSIメーカーが、プレーヤー製作用マニュアルを付けた上でMP3/MP4プレーヤー用1チップLSIを販売したことで、中国の有象無象のメーカーがプレーヤーを作り、安価な値段で販売したのだ。そうした製品は、若者をターゲットにした店でよく売られている。
この連載の記事
-
最終回
トピックス
中国ITの“特殊性”を100回の記事から振り返る -
第99回
トピックス
受注が急増する中国スパコン事情 -
第98回
トピックス
Twitterもどきの「微博」対応に奔走する中国政府 -
第97回
トピックス
検閲厳しく品質がイマイチな中国地図サイト事情 -
第96回
トピックス
iPhoneが大好きな中国人、その実態とは -
第95回
トピックス
中国から学ぶネットリテラシーの上げ方 -
第94回
トピックス
香港電脳街へのいざない -
第93回
トピックス
中国とVPNの切るに切れない関係 -
第92回
トピックス
中国でデスクトップPCを修理する(後編) -
第91回
トピックス
中国でデスクトップPCを修理する(前編) -
第90回
トピックス
中国ネットユーザーが創り出す新しい日本旅行のスタイル - この連載の一覧へ