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山谷剛史の「中国IT小話」 第31回

中国で話題を集める自作ケータイ&デジカメ「山寨機」

2008年09月04日 09時00分更新

文● 山谷剛史

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大きな意味を持つメディアテックの存在


 製造に要する技術レベルで比較した場合、山寨機ことノンブランド携帯電話を販売することと、PCを自作することやパーツショップがショップブランドのPCを販売することは、やはり異なる。

 いくら中国でも、PCのようにパーツを買って組み立てれば携帯電話ができ上がるなんてことはない。そこまで簡単ではないが、少し技術があれば携帯電話の部品が集められて、作れるという環境にはある。

 ノンブランドの携帯電話工場が集中する広東省では、台湾の大手ファブレスLSIメーカー・メディアテック(英名:MediaTek、中国名:聯発科技)が開発した、デジカメ機能や音声/映像ファイル再生機能を搭載した携帯電話用LSIを使って、製品が組み立てることが多い。

ノンブランドケータイ

少し分かりにくいが、ノンブランドケータイ(山寨機)がショーケースに並べられている

ノンブランドケータイ

ノンブランドケータイや中古品が売られる携帯電話売り場。メーカー製携帯電話が売られる大型店よりも、店内は暗く怪しい雰囲気

 メディアテックの携帯電話向けLSIによって、山寨機が飛躍的に作りやすくなったため、同社は「山寨ケータイの父」と呼ばれている。広東省の電脳街ではICパーツを販売するビルも存在するし、数人規模の小工場で携帯電話機を作っていてもさして不思議な話ではない。

 小規模工場によるノンブランドのIT製品製造は、携帯電話機が初めてではない。以前には(そして今も)MP3/MP4プレーヤーもまたノンブランドの商品が多数作られている。中国のLSIメーカーが、プレーヤー製作用マニュアルを付けた上でMP3/MP4プレーヤー用1チップLSIを販売したことで、中国の有象無象のメーカーがプレーヤーを作り、安価な値段で販売したのだ。そうした製品は、若者をターゲットにした店でよく売られている。

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