ポジティブなクチコミを集めて情報格差を埋める病院情報サイト
QLife(http://www.qlife.jp/)
2008年09月05日 12時00分更新
QLifeの情報市場戦略
情報が情報を呼ぶ市場で
社会的意義を追求
QLifeのビジネスモデルの中核は製薬会社によるDTC(Direct To Consumer)広告である。テレビでは市販薬の広告をよく見るが、市販薬は日本の医薬品市場のうち1割に過ぎない。残りの9割は医師の処方箋によって出される医療用医薬品が占めており、この市場啓発を直接消費者に対して行うのがDTC広告と呼ばれる。日本では医薬品の名称を出せないなど、あまり活発ではないが、アメリカでは'97年にガイドラインが策定されて以降、このDTC広告が拡大し、大きな市場を形成している。山内氏はこの差が近いうちに崩れると予想し、日本的なDTC広告のあり方を模索している。
DTC広告が規制されている一つの理由は「薬について生半可な知識で選択させるのは危険」という発想からだ。しかし、インターネットの普及で患者側も情報を持ち始め、先行認可された薬を海外から探してくる時代だ。医療機関も患者の意向を尊重するようになってきた。「情報は人の意識を高め、行動する力を与えます。情報があると選択をしたくなるし、選択する際にはもっと情報が欲しくなります」。情報ニーズが高まっている瞬間に、適切な表現で情報提供すれば、仮にそれが広告であっても、いわゆる患者力アップにつながる。
「病院クチコミはそのエントリーです。医療機関に関する体験談なら誰でも語ることができるし、語ることの必要性を既に実感しています。それに、患者側が医療に参加意識を持つ第一歩になります」
病院広告を集めるビジネスは、クチコミの中立性を保つため当面は実施しない。その代わりに患者の声を医療機関が活用できる有料サービスを開始している。
取材:2008年5月20日(名称・数字・肩書・サービス名などは取材当時のものです)
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