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アップルを代表する人気マシンの実力

APR: iMac (Early 2008)

2008年09月04日 18時00分更新

文● 今井 隆、柴田文彦、MacPeople編集部

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カスタム仕様がメインの内部アーキテクチャー

 CPUは、従来と同じモバイルプロセッサー(Penryn)に見えるが、デスクトップ向けCore 2 Duoシリーズ(Wolfdale)のE8000系列のナンバーが付いている。中身はデスクトップ用だが、パッケージはモバイル向けという特殊な仕様だ。このようなカスタムパッケージは、MacBook Airに使われた「SFF」(Small Form Factor)のモバイルCore 2 Duo(Merom)などの前例がある。

CPU

 CPUは、最新の45nmプロセスとメタルゲート技術の導入による最新のCore 2 Duoプロセッサーだ。従来のiMacやMacBookシリーズに搭載されているCPUとは異なり、非公開の型番を持つ特殊仕様のものが採用されている。
 外観上は、MacBookシリーズなどに採用されているモバイルCore 2 Duo T8000番台(Penryn)と同じパッケージだが、記された刻印やCPUのインフォメーションを見ると、コア自体はデスクトップ向けCore 2 DuoであるE8000番台(Wolfdale)と同等のものと推測できる。
 同様にチップセットも非公開のMCHが使われており、フロントサイドバスのクロック周波数やメモリー速度が向上した特別仕様モデルだ。7月にリリースされた次世代プラットフォーム「Montevina」をベースに採用しなかった理由はいまだに不明だが、同プラットフォームのリリース時期が遅れたことと関係があるかもしれない。


 さらに特殊なのがチップセットで、「LE82XM965」という聞き慣れない型番が付いている。「965 Express」のチップセットは本来、「GM965」「PM965」というモバイルチップセットと、「G965」「P965」というデスクトップ向けが存在する。型番から、モバイルチップセットのカスタムモデルと推測できる。1066MHzのフロントサイドバスおよび「DDR2-800」メモリーのサポートという、GM965/PM965よりワンランク上のスペックを備えるのが特徴だ。

メモリーモジュール

 メモリーモジュールは、従来のPC2-5300 SO-DIMMよりもワンクラス高速な「PC2-6400 SO-DIMM」が採用されている。PC2-6400のモジュールは、PC2-5300の上位互換だが、5300は6400の代用にはならない。ちなみに最新のチップセット「GM45 Express」「GM47 Express」は、DDR3メモリーを新たにサポートする。しかし、今回のiMacはDDR3メモリーをサポートしていない。


 BTOで選択できるGPU「GeForce 8800GS」は、DirectX 10世代のハイエンドシリーズのモデルで、汎用シェーダープロセッサーを96基搭載し、192ビットのメモリーバスをサポートする。しかし、実際に採用されているのは512MBのGDDR3ビデオメモリーを搭載するMXM-IIIカードで、チップの刻印やメモリー構成などからモバイル向けの「GeForce 8800M GTS」と考えられる。高機能のGPUが選択できるようになり、3Dグラフィック処理に威力を発揮するだろう。

GPU

 新iMacは、GPUに関しても謎に満ちている。写真はハイエンドモデルに採用されているエヌビディアの「GeForce 8800GS」だが、メモリーバス幅が256ビットである点などから考えると、8800GS(メモリーバス192ビット)ではない可能性が高い。写真では512MビットのGDDR3 SDRAMを8個(計512MB)搭載しており、MXM-IIIカードの形状や搭載部品などから推測して「GeForce 8800M GTS」ではないかと考えられる。
 なお、ほかのモデルは従来同様米AMD社の「Radeon 2600 Pro」「同2400XT」を搭載しており、ビデオメモリーは128MBの「GDDR3-SDRAM」だ。2600ProはAMDの1世代前のミッドレンジGPU、2400XTは同じく1世代前のエントリークラスGPUである。ハイエンドにエヌビディアのGeForce 8800シリーズが加わったことで、グラフィック性能に対する選択肢が大きく広がった。


 FireWireコントローラーは、今回からPCI Express接続に変更された。これによってLAN、無線LANを含めたインターフェースのほとんどがアップデートされ、旧PCIバスに接続するデバイスは廃止された。


 メモリーの交換手順

APR: iMac Early 2008

【1. メモリーカバーを外す】本体底面のカバーは、プラスドライバーで取り外せる。再度取り付ける際に必要なのでネジはなくさないように気をつけよう

APR: iMac Early 2008

【2. テープを引っ張り取り外す】中にはテープが収納されている。そのテープを引っ張ればメモリーが外せる。テープは両端を交互に引っ張るとうまく外せる

APR: iMac Early 2008

【3. メモリーの装着】メモリーの切り欠きの位置に注意してスロットに挿入。装着時は静電気を発生させないように慎重に扱おう

APR: iMac Early 2008

【4. 新旧メモリー】新iMacのメモリー(左)は旧モデルのそれ(右)と規格は異なるが、形状は同じなので注意が必要だ。取り外しと反対の手順で取り付ければOKだ

なお、ハードディスクの換装を含め、より詳しい手順は「iMacのメモリー/HDD換装」に掲載してある。


(次ページに続く)

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