ベンチマークテストでパフォーマンスを評価
ここでは、現行iMacのパフォーマンスについて考察していく。旧iMac(24インチ/2.4GHz)を比較の基準として、新しい全4モデル(20インチ/2.4GHz、20インチ/2.66GHz、24インチ/2.8GHz、24インチ/3.06GHz)の計5モデルで、各種のベンチマークテストを実施した。
新モデルは、クロック周波数の高速化以外にもスペックが強化されている。共有2次キャッシュメモリーは、4MBから6MBへと50%増量。フロントサイドバス(FSB)のクロック周波数は、800MHzから1066MHzへと約33%高速化した。
キャッシュやFSBの強化がはっきりと結果に表れているのは、CINEBENCHの2つのテストだ。
その一方で、CPU性能が結果に表れていないのは、ファイル/フォルダーコピー、iTunesエンコード、Adobe Photoshop CS3アクションだ。
各テストでの差の出方に違いが見られるのは、アクセスするデータのサイズや、処理中に転送するデータ量などによって速度が左右されるため。QuickTimeのエンコードについては、CPUクロック周波数よりも、むしろキャッシュサイズやFSBの影響が強く現れていると考えられる。
新2.4GHzモデルにはより新しいアーキテクチャーが採用されているため、同じクロック周波数でも旧2.4GHzモデルと比べて、CPUの処理性能は少なくとも同等以上であるはずだが、フォルダーコピーで顕著なように旧モデルよりも結果が劣る場合がある。これは、旧モデルが320GBのハードディスクを搭載しているのに対し、新モデルが250GBを採用しているためと考えられる。一般的に、大容量のほうがデータ密度が高く、実質的なランダムアクセス性能も高いからだ。
一方GPUについては、旧2.4GHzモデルが、「ATI Radeon HD 2600 Pro」(256MB)を採用するのに対し、新2.4GHzモデルでは、「同 2400XT」(128MB)と、ビデオメモリーの容量が半分であり、明らかに描画性能は劣る。なお、新2.6/2.8GHzモデルは、旧モデルと同じ2600 Pro(256MB)だ。BTOで購入できる24インチ/3.06GHzモデルは、「NVIDIA GeForce 8800 GS」(512MB)を搭載しており、高いグラフィック性能が期待できる。
GPU性能の違いは、DOOM3フレームレートにはっきりと現れた。
また、GPUの2D性能にも、まだ改善の余地があることが、Photoshop CS3のスクロールのテスト結果からうかがえる。
【テスト条件】●マシンのシステムはMac OS X10.5.2、メモリーは2GBに統一した ●グラフの数値は、iMacの下位モデルを100としたときの相対値(カッコ内は実測値)、いずれもグラフのバーが長いほどパフォーマンスが高いことを意味する ●グラフの値は、それぞれのテストを3回行って算出した平均値
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