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アップルを代表する人気マシンの実力

APR: iMac (Early 2008)

2008年09月04日 18時00分更新

文● 今井 隆、柴田文彦、MacPeople編集部

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3. Perfromance


ベンチマークテストでパフォーマンスを評価

 ここでは、現行iMacのパフォーマンスについて考察していく。旧iMac(24インチ/2.4GHz)を比較の基準として、新しい全4モデル(20インチ/2.4GHz、20インチ/2.66GHz、24インチ/2.8GHz、24インチ/3.06GHz)の計5モデルで、各種のベンチマークテストを実施した。

 新モデルは、クロック周波数の高速化以外にもスペックが強化されている。共有2次キャッシュメモリーは、4MBから6MBへと50%増量。フロントサイドバス(FSB)のクロック周波数は、800MHzから1066MHzへと約33%高速化した。

 キャッシュやFSBの強化がはっきりと結果に表れているのは、CINEBENCHの2つのテストだ。

APR: iMac Early 2008

3Dレンダリングのベンチマークソフト「CINEBENCH R10」を使って、CPUによる3Dグラフィック処理の性能指数を計測。新モデル同士は、ほぼCPUクロック周波数に比例する結果。ほかのテストとは異なり、新旧の2.4GHzモデル間に数%ながらはっきりとした差がついている

APR: iMac Early 2008

同じく「CINEBENCH R10」を使って、GPUによる3Dグラフィック処理の性能指数を計測。CPU性能が同等の場合は、GPU性能の違いを反映するが、異なる場合はCPU性能も結果に影響する傾向がある。CPUテストとほとんど同じ傾向を示した

 その一方で、CPU性能が結果に表れていないのは、ファイル/フォルダーコピー、iTunesエンコード、Adobe Photoshop CS3アクションだ。

APR: iMac Early 2008

容量1GBの単体ファイルを、起動ディスク上でFinderを使って複製するのにかかった時間を計測。ほとんどバラツキもなく、結果はクロック周波数順に並んだ。とはいえ、比例関係にあるわけではなく差はさほど大きくない

APR: iMac Early 2008

中身のファイルの合計サイズが1GBのフォルダーを起動ディスク上でFinderを使って複製するのにかかった時間を計測。旧モデルが健闘し、新2.8GHzモデルとほぼ同等だが、新iMac同士はクロック周波数順に並んでいる

APR: iMac Early 2008

演奏時間が約40分のAIFFファイル(392.7MB)を128kbpsのAAC形式にエンコードするのにかかった時間を計測。CPU性能を測るテスト。ファイルコピーと傾向は似ているが、差は比例に近いところまで広がっている

APR: iMac Early 2008

さまざまなフィルターを組み合わせたアクションによる画像処理の実行時間を計測。基本的にはCPU性能を忠実に反映するテスト。結果は、iTunesエンコードとほとんど同じ傾向を示し、ほぼCPUクロック周波数に比例した結果

 各テストでの差の出方に違いが見られるのは、アクセスするデータのサイズや、処理中に転送するデータ量などによって速度が左右されるため。QuickTimeのエンコードについては、CPUクロック周波数よりも、むしろキャッシュサイズやFSBの影響が強く現れていると考えられる。

APR: iMac Early 2008

Pro版のQuickTimeを使い、再生時間が約60秒のDVムービーをH.264形式にエンコードするのにかかった時間を計測。新旧の2.4GHzモデルはほぼ同等の速度を示したが、それ以外の新モデルは一歩抜き出ている

 新2.4GHzモデルにはより新しいアーキテクチャーが採用されているため、同じクロック周波数でも旧2.4GHzモデルと比べて、CPUの処理性能は少なくとも同等以上であるはずだが、フォルダーコピーで顕著なように旧モデルよりも結果が劣る場合がある。これは、旧モデルが320GBのハードディスクを搭載しているのに対し、新モデルが250GBを採用しているためと考えられる。一般的に、大容量のほうがデータ密度が高く、実質的なランダムアクセス性能も高いからだ。

 一方GPUについては、旧2.4GHzモデルが、「ATI Radeon HD 2600 Pro」(256MB)を採用するのに対し、新2.4GHzモデルでは、「同 2400XT」(128MB)と、ビデオメモリーの容量が半分であり、明らかに描画性能は劣る。なお、新2.6/2.8GHzモデルは、旧モデルと同じ2600 Pro(256MB)だ。BTOで購入できる24インチ/3.06GHzモデルは、「NVIDIA GeForce 8800 GS」(512MB)を搭載しており、高いグラフィック性能が期待できる。

 GPU性能の違いは、DOOM3フレームレートにはっきりと現れた。

APR: iMac Early 2008

3Dゲームソフト「DOOM 3」を使用して、デモ画面を連続再生する際のフレームレートを計測。GPU性能が結果に表れる。旧モデルよりも劣るGPUを装備する2.4GHzモデル以外の新モデルのGPU性能の高さが目立つ

 また、GPUの2D性能にも、まだ改善の余地があることが、Photoshop CS3のスクロールのテスト結果からうかがえる。

APR: iMac Early 2008

3Dゲームソフト「DOOM 3」を使用して、デモ画面を連続再生する際のフレームレートを計測。GPU性能が結果に表れる。旧モデルよりも劣るGPUを装備する2.4GHzモデル以外の新モデルのGPU性能の高さが目立つ

【テスト条件】●マシンのシステムはMac OS X10.5.2、メモリーは2GBに統一した ●グラフの数値は、iMacの下位モデルを100としたときの相対値(カッコ内は実測値)、いずれもグラフのバーが長いほどパフォーマンスが高いことを意味する ●グラフの値は、それぞれのテストを3回行って算出した平均値


(次ページに続く)

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