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塩澤一洋の“Creating Reed, Creative Mass.──大公開時代の羅針盤” 第17回

塩澤一洋の“Creating Reed, Creative Mass.──大公開時代の羅針盤”

写真は未来を写す

2008年09月14日 15時00分更新

文● 塩澤一洋 イラスト●たかぎ*のぶこ

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 さて、撮りたい被写体に出逢ったら撮影だ。そこで大切なのは、予測に基づく「先回り」である。

 まずは撮影位置。被写体の向き、光の当たり方、背景の明るさや色合いなどを総合的に勘案して、最適な角度で撮影できる場所に移動する。特に被写体が動いてくるものの場合、被写体のいい姿を撮れそうな場所、被写体がその場所に来たら絵になると予測できる場所を確保するのだ。つまり、主役が登場する前に舞台装置の位置関係を把握し、最適な席に身構えるのである。

 運動会の徒競走で、ゴール付近に保護者がカメラを構えるのは好例だ。ゴール目前で必死に走るわが子の表情、ゴールしたときの笑顔、ゴール後の安堵感。そういった写真が撮れそうだという予測が立つから、ゴールの斜め前あたりに先回りして、わが子の走りを待つのだ。

 しかし、ゴール近くに陣取っただけでいい表情が撮れるわけではない。場所取り以外にも先回りしてやっておくべきことがある。カメラの諸設定だ。

 被写体の広狭によってレンズの画角(ズーム位置)を選ぶ。カメラを構える高さや角度を微調整する。フラッシュのオン/オフ。

 そのほか、必要があれば感度や露光量などを適宜設定する。とはいえ最近のカメラは賢いので、これらの設定はオートで十分な場合が多い。


(次ページに続く)

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