欧米のようにプレゼント需要を狙っていく
E1のデザインテーマは、リラックス感だ。その一貫したテーマは実は外箱にまで徹底されている。カメラの操作に関する説明書以外のマニュアルはPDF化してCDに入れて、箱のスリム化も実現した。
馬場氏は「E1は全体の世界観を大切にしている。箱の存在感が大きすぎる商品が多いので、女性の部屋に置いても違和感がない化粧箱にした」と述べる。
E1の店頭価格は2万3000円前後になる予定だ。「かわいいデザインとやこだわりの化粧箱、さらに手ごろな値段。プレゼント需要をも狙えると考えています」と担当の小笹貴司氏は述べる。
確かにコンセプトが徹底しているため、デザインから入って欲しがるユーザーもいるだろう。女性への贈り物にもいいかもしれない。実際、PowerShotは欧米市場では低価格・高機能が受け、クリスマスシーズンなどにかなりの数がプレゼントとして売れるそうだ。
コンデジの2008年上半期の伸びは数%と一時期のように右肩上がりの勢いはない。高木氏は「これまでと同じようなことをやっていけるとは思っていない。新しいチャレンジで新たな足場を固めていきたい。今後は他社とそういったチャレンジの勝負になってくる」と述べる。
もちろん、チャレンジの方向はカジュアルやリラックスといった方向だけではない。ケータイの「らくらくホン」のようにシニア向けデジカメや、学生はディスカウント価格で購入できる「学割デジカメ」が生まれるかもしれない。
いずれにせよ、機能面での優位性を付けにくい現在、キヤノンを始め、各社が様々なチャレンジを行なっている。そんな、新たなデジカメ市場を模索した1つの道が、キヤノンのE1なのである。