このページの本文へ

つなげ!オンガク配電盤 第2回

KORG DS-10で、シンクロナイズド・ミュージック

2008年08月25日 12時00分更新

文● 四本淑三(powered by 武蔵野電波)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

怒るほどハマる同期セッション


 このミキサー、音も含めて実に具合がいい。Y字ケーブルでも1本500円はするから、これで1000円は超リーズナブルと言える。よし、準備万端整ったぞ。

 「えっと、どっちがマスターになります?」
 「あ、ボクはスレーブでいいです」
 「じゃこっちのMACアドレスが表示されるから、それ選んで」

 そういう日本人っぽい譲り合いの精神を発揮しつつ、マスターになると何故か偉くなった気になるわけだが、実際にはシーケンスの開始と終了を行なう権限しかない。

 で、いざポチッとスタートしてみると、わははは、これは面白い。これでは面白すぎて終わるきっかけがつかめないぞと思い、いきなりマスター権限を発動してシーケンスを止めたら、

 「なんで止めるんですかっ!」

 と船田さんがムッとしたくらい面白かった。



対抗心がセッションに火をつける


iPod touch

iPod touch

 DS-10は同期させるとソングモードが使えない。つまりあらかじめ設定したパターンの進行は再現できない。でも手動のパターン切り替え、シンセのパラメータ操作、シーケンスの書き換えは鳴らしながらでできる。それで相手の出かたを見ながら、応戦するわけだが結果的に次から次へと新しい音、新しいループが折り重なっていくことになるわけだ。

 例えば向こうがフィルターを徐々に開け、「ほふぷぶびぎぎぎぃ」なんてやっているところにカオスパッドで「ぐぴょーどどどばぱぱ」みたいなループを作って対抗する。と、なぜか敵はiPod touchを取り出し、オーディオループシーケンサー「BeatMaker」関連記事)をチンチン鳴らし始めるので、私も隠し持っていたもう1台のDS Liteで「これで音圧2倍だざまあみろ」攻撃をするわけなのだ。

 ちなみに、すでに同期演奏が始まっているDS-10のネットワークに後から割り込むことはできない。よってテンポは手動で合わせるしかないが、BPMとステップ数が同じなら合わせるのは割と簡単だ。

BeatMaker

BeatMaker。iPod touchやiPhoneのAppStoreで購入可能。詳細は関連記事を参照

 で、アイディアが尽きたところでセッション終了。

 問題はイヤホンを付けてジャムっている間、言葉でのコミュニケーションが取れないことだった。お互い目の前にいるのだが、イヤホンをしているから普通に喋っても聞こえないのだ。だからと言って、

 「ねえ、そこ半音上げてくださいよ!」
 「次のパターンはペンタトニックですから!」

 のような大声を上げてしまっては、ミキサーを用意した意味がない。

 次はインカムが必要だと思った。至近距離の会話にマイクを使うのも不気味だが、おそらくコーヒー店以外の場所でもこれは必要になる。マイクの値段や実装方法を、船田さんがその場で考え始めたのは言うまでもない。

 もうひとつ問題があるとすれば、大の大人がイヤホンをして向かい合い、小さな画面をチクり合っている姿。これは傍目に果たしてどうなんだということだ……。

カテゴリートップへ

この連載の記事

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中