このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

この新ビジネスに学べ! ネットの開拓者たち 第1回

ジャーナリスティックな視点で燃費データを集める

e燃費(http://e-nenpi.com/)

2008年08月25日 12時00分更新

文● 根岸智幸(ずばぴたテック) 写真●小林 伸

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

e燃費のビジネスモデル

メーカー・地域横断の燃費データは
自動車メーカーにも非常に貴重

e燃費の基本的なモデル

 e燃費は、ユーザーから集めた給油情報を元に、車種別燃費や地域別ガソリン価格情報を算出。それらのデータを多角的に活用してビジネスとしている。

1. ASPサービス
 燃費計算やガソリンスタンド検索の機能を、石油メーカー(ガソリンブランド)や自動車会社のブランドで運営。会員情報は提供先のものだが、給油データは共有することで、より多くのデータを蓄積できる。現在は、日産の通信カーナビ「カーウィングス」やケータイ向けナビサービス「ナビタイム」などにもデータや機能を提供している。

2. ガソリン価格データの提供
 ポータルサイトのMSNなどに、ガソリン価格情報や、ガソリンスタンドデータベースを提供する。

3. 燃費データの提供
 現在は、自動車メーカーも実用燃費を新車の特徴としてうたうようになってきた。メーカーの研究所にとって、e燃費のもつ膨大なデータは、貴重な資料となる。現在は国内のほとんどのメーカーがデータを購入しているという。

 e燃費を利用すると、同じ車種の中で、自分の燃費が良いか悪いかが偏差値でわかる。これを見てユーザーが気をつけることで、次回の燃費が良くなる。

 自動車メーカー側も、ハードウェアの改良による燃費向上は当然これまでも行ってきたが、ユーザー心理を加味した燃費の向上は未開拓の分野で、運転の方法次第で1割2割も良くできる可能性もあるという。「e燃費はユーザーとメーカーの双方から燃費を良くし、省エネにも貢献できている。しかも、事業としてきちんと成り立っている。うれしいことです」と現担当の藤原さんは胸を張った。

取材:2008年1月22日(名称・数字・肩書・サービス名などは取材当時のものです)


根岸智幸氏

筆者紹介──根岸智幸(ねぎしともゆき)

1963年生まれ。アスキーのPC雑誌の編集長をつとめる合間に、レストランのクチコミコミサイト「東京グルメ」(現ライブドアグルメ)を構築。現在は独立し、有限会社ずばぴたテックとして、「本が好き!」など、ウェブコミュニティの企画・開発・運用を請け負っている。 

■根岸氏のサイト

■関連サイト

前へ 1 2 次へ

この連載の記事

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中