あなたも潜水艦乗組員の生活を体験だ!
さて、いよいよ三階、潜水艦に関する展示フロアだ。
このフロアの構成は、大きく分けて潜水艦に関する基礎知識、海自潜水艦隊の成り立ち、潜水艦の艦内生活の紹介、そして「あきしお」による実艦展示となっている。
ここを一通り見学すると、ふだん潜水艦がどのような任務をこなしているのか、あるいは現代において潜水艦とはどのような意味合いを持っているのかが理解できるようになっていた。
海自潜水艦第一号の「くろしお」に関する展示。アメリカ海軍のガトー級潜水艦ミンゴが供与され「くろしお」となった
「くろしお」に装備されていた各種艤装品
潜水艦の構造を解説した模型。「Know Your Boat」(己の艦を知れ)という単語が壁に記されていた
赤ランプの下での食事にあなたは耐えられるか!?
さて、いよいよ潜水艦の艦内生活を疑似体験できるコーナーが登場だ。潜水艦の艦内生活といえばもはや古典的名作映画『Das Boat』(邦題:Uボート)、そしてちょっと前ならマンガ『沈黙の艦隊』、それにインスアパイアされたとも言われる映画『ユリョン』、そして近年の映画『ローレライ』など数多くの作品で触れられているが、そんな生活をちょっとだけ垣間見せてくれるのがこのコーナーだ。
とにかく潜水艦というのは、狭い。さらにその空間を有効活用しないとアカン訳で……。ということで艦内模擬ツアー第一弾ということで見て欲しい。
まずは食卓。椅子が収納になっていて、中にはタマネギが入っていた。椅子の下の空間も有効活用しているのだな
食事風景。白色灯(日中状態)では、こんな感じの食卓も
赤色灯での食事風景では、こんな感じ。食事の楽しみというものは「視覚的な要素」も重要だが、この状態ではそれは期待できないわけで……。ちなみにこの赤灯、出航中は昼と夜の区別がつかなくなりがちなので、出航中は日没から日の出の夜間、艦内を赤灯にするとこと
三段ベッド。一昔前の国鉄時代の旧式寝台列車みたいな狭さ。上段は天井まで40cmしかないそうで……。ほんと狭いですな
シャワー。水やお湯使い放題の原潜と違っていろいろ制限の多い海自の通常型潜水艦では、たまのシャワーも乗組員にとっては大きな楽しみなんだろうなあ
トイレ。狭めのワンルームマンションのトイレくらいの広さはあるなあ。しかし、潜行深度100メートルの海中で用を足す、というのもなんか想像を絶するものがある
潜望鏡。大人気で皆さん覗いておりました
潜望鏡から覗いたところ。思わず「敵艦見ユ!」と呟いてしまう(単なる変な人だな)。嗚呼、もはや気分は第二次世界大戦でスカパフローに侵入して戦艦ロイヤル・オークを撃沈したU47のギュンター・プリーンか、米空母ワスプを撃沈した伊号第19潜水艦の木梨艦長だ…… ちなみに見えているのは呉港在泊中の海保巡視船。もちろん敵ではない
さらに対潜部隊が装備していた各種兵器、就役間近の海自新型潜水艦「そうりゅう」の模型など様々なものが展示されていた。
護衛艦に搭載されていた艦載対潜無人ヘリコプターDASH。1960年代から1970年代にかけて米海軍が開発した無人ヘリコプター。対潜魚雷を二発搭載し、水中を高速航行するソ連原潜を撃破することを想定して開発されたが、運用が難しく、数年で運用が中止となった。海上自衛隊でも導入し運用していたが、やはり昭和55年(1980年)頃に使用を中止した
期待の新鋭潜水艦「そうりゅう」の模型と写真。 平成21年(2009年)3月就役予定。従来のディーゼル動力に加え、新動力としてAIP(非大気依存システム)システムであるスターリング機関を採用、水中での作戦行動期間を二週間程度確保できるようになった
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