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重たいレコードバックよさらば!

手のひらサイズのDJシステム「Pacemaker」レビュー

2008年11月27日 14時08分更新

文● コハマ/トレンド編集部

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今年一番のデジモノは何か?


 iPhoneはすごかった! Eee PCも頑張った! でも個人的に一番シビれたのは、スウェーデンのTonium社から出た「Pacemaker」だ。

「Pacemaker」8万9800円

 携帯ゲーム機のようなコレ、実は手のひらサイズのDJシステムなのだ!

 なのだ!と言われても、そもそもDJってなんだ?な読者もいると思うのでざっくりと説明しよう。

 テレビなんかで、DJが2枚のレコードをキュコキュコ回してる姿を見たことがあると思う。あれは何をしてるかというと、2台のターンテーブル(レコードプレーヤー)とミキサーを使い、曲を切れ目なく次々とかけているのだ。

 ターンテーブルとミキサーは会場に備え付けのものを使うが、レコードは自分のものを運ばなくてはいけない。1回のプレイで50~100枚程度のレコードが必要なのだが、実はこれ、10~20kgもあってすんごく重い! これがつらくて「やーめた」となってしまうDJもいるくらいだ。

 こんな背景もあり(これだけじゃないけど)、実はここ10年くらいでDJのスタイルはどんどん変化している。レコードの代わりにCDを使うようになり、最近ではノートパソコン1台でDJをする「ラップトップDJ」が主流だ。



iPod+DJミキサー=Pacemaker?


 Pacemakerは、このラップトップDJがさらに進化したもの。iPodにターンテーブル+ミキサーの機能が付いたようなイメージで、内蔵のHDDから次々に曲を呼び出しミックスできる。

 これ1台あれば、クラブはもちろん、友人の家や屋外など、いつでもカンタンにDJができるのだ。

 注目はその大きさ。ズボンのポケットに収まるサイズで重さは200gとケータイ程度。HDD容量は120GBあり、MP3なら約3万曲は持ち運べる。これは家のレコード棚を丸ごとポケットに入れて持ち歩くような感覚だ。

 この手の初モノは、「コンセプトはスゴイが、肝心の機能や操作性はガッカリ」なパターンが多いが、そんなことはない。

 ピッチ合わせはもちろん、ヘッドフォンでのモニタリング、EQ調整、CUEポイントの設定、LOOP設定、各種エフェクトなど、DJに必要なほとんどの操作が可能だ。

 主な操作は大型のタッチパッドで行なうのだが、感度も良好でスムーズにプレイできる。

 一週間ほど使ってみて、これはプロDJを意識した相当作り込まれたDJツールだと強く感じた。割り切られた機能もあるが、このサイズでよくぞこれまで、と感心させられる。

 本職のDJの人はもちろん、ライトにDJを初めてみたいという人にもオススメできる。イチからターンテーブルなどの機材を買い揃えるより安く済むし、何よりDJにありがちな、部屋の中がレコードとDJ機材でいっぱい……なんてことにならずに済むからだ。

 普通のミュージックプレーヤーとしても使えるので、普段から持ち歩いてMIXのアイディアがひらめいたらその場で試す、なんて使い方ができるのもうれしい。

 7月の発売当初は予約であっという間に完売してしまったというこの製品。興味のある人はぜひ店頭でその凄さを体験してみてほしい。

(具体的な操作方法は次ページで)

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