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会社引っ越し ブレードで仮想化大作戦 第1回

~ ASCII.jpが試したから言える!ブレード&仮想化のホンネ ~

ブレード&仮想化 現状分析編「絵にかいたような絶体絶命だ」

2008年09月08日 09時00分更新

文● 志村 拓

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稟議、発注、そして納品

 しかし、どうやってブレードとHDDをSASでつなぐのか? 見たところケーブルもディップスイッチ(死語?)も無さそうだ。そもそも、我々が動かそうとしているCentOSは問題なく動作するのか? 見積もりに書かれているSAS拡張カードとSAS接続モジュールの関係は? 様々な疑問の渦巻く中1つだけ我々にハッキリ理解できたことがあった。 ブレードサーバーの方が安い。

 当時IBMはブレードシャーシを100円という、100円マックもビックリなキャンペーン価格で販売していたことも大きく影響しているが、実は通常でもブレードサーバーはさして高いモノではないのだ。

 「本当に大丈夫なんだろうなぁ」とジクジク悩む筆者に対し、同僚が一言「そもそもRFP出してるんだから、思うとおり使えなかったらIBMの瑕疵でしょ」。あんたネー、それじゃIBMさんが不憫だよと思いながらも筆者の口から出たのは「そ、そーだよネー」だった。どだい小社技術部は社内の その方面の一番濃い人々 が集まってできた部署で、全員「好きモノ」なのだ。ブレードサーバーという新しい機材を購入する事に異を唱えるモノなどいるわけもなく、コストコンシャスという御旗もでき、ブレードサーバーを購入する稟議書の作成に取り掛かった。

技術部の風景写真

ここが好きモノ巣窟。パソコン少年たちの熟れの果て?魔窟化した編集部の机に比べれば意外と綺麗

 正直に「だって面白そうだし、いじってみたいんだもん」と稟議書に書いても、誰も理解してくれない。筆者はこのとおり、ライター上がりの人間なので、作文は得意だ。「社内の古いPCサーバー、いつ壊れて業務に支障が起きても知らないよ」と脅しつつ、「ブレードサーバーに集約すれば電気代を削減、CO2削減で公器としての責務を果たせるよ」と 低酸素社会を推進するエコ企業を標榜 して賺してみたり。まぁ、経営陣もたぶん解っていて、その手の上で踊っているだけなのだろうが……。

稟議書作りに強い味方

 本文中エコに関する話題が出てきたが、IBMのサイトでは、「グリーンIT化診断」なるサービスが提供されている。

 現在のシステム構成と、置き換え希望のブレードを指定すると、その場合の具体的なコストメリットやCO2削減効果をIBMが診断してくれるというもの。稟議書に添付する資料としても活用できそうだ(編集部)

グリーンIT化診断入力フォーム

診断を開始すると送られてくる入力フォーム。アスキー・メディアワークスのサーバーは自作マシンばかりだったので、メーカー名は書けなかった……

グリーンIT化診断結果

ASCII.jpはまだ結果待ちの状態だが、このイメージのような結果を出してくれるとのこと

 その後、部内の打ち合わせで、「いっそのこと全てのブレードはVMwareを動かすためのホストOSとしてのみ使うことにしよう」という、あるべき論の末に往々にして辿り着く大統一理論へと帰着した。これを受け、最初の見積もりでは、RFPに沿って何種類かタイプが選択されていたブレードを、すべてHS21に統一、その他の部材についても、なるべく同じ部品で揃えることで、 まだ見ぬ夢の仮想マシン のポータビリティを確保することにした。

 稟議が通り発注ができたのは、なんと6月末。それでもIBMや販社と連絡を取っておいたお陰で、1週間後の7月頭には「新社屋」に無事に納品された!アスキー・メディアワークスの社屋移転は毎週土日を使い4回に分けて7月一杯かけて実施された。その中でなんとか順次PCサーバーを仮想化してブレードサーバーに入れれば、「論理的には」なんとかなるハズだ。

 それにしても、どーやって組み立てたらイイんでしょう、この大量の機材……という訳で、この後に続く混乱の様子は第2回に続くので、乞うご期待。

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