来週8月15日(金)~17日(日)の3日間に渡り、東京ビッグサイトで開催される「コミックマーケット74」だが、エスカレータ事故の影響や、ネットなどでの脅迫行為があったため、コミックマーケット準備会から緊急告知が発表された。
コミックマーケットは毎年夏と冬に2回開催される同人誌即売会。いずれも数日間にわたり東京ビッグサイトを全館貸し切るという、国内はもとより世界でも類を見ない大規模なイベントだ。昨年12月29日~31日に開催された実績値によれば、参加サークル数は3万5000。3日間の延べ参加者数は50万人となっている。
コミケ会場の爆破テロ予告があったのは、8月5日の早朝4時半。匿名掲示板に「コミケ会場で爆破テロを行う 1日目の正午に爆破する 何人死ぬかな ククク…」という書き込みが行われた。
それに続けて、07:06に「あ、ついでにコミケ会場で300人くらい牛刀で斬り殺すから 爆破するのはそれから 」と同一人物と思われる書き込みが続き、07:16には「まずは愚かな日本警察への見せしめとして、今日東京大学のキャンパス内の男子トイレで男子学生を~」といった類の暴行予告が、さらに07:19に「彼女に振られたはらいせにビッグなプロジェクトを決行しようと思った 「今年の夏コミ一緒に行こうね」って約束したじゃない… あなた約束したじゃない… 」という書き込みが続いた。
おそらくこれを受ける形で、コミックマーケット準備会が今回の緊急告知を行った。告知内容は大きく分けると2点あり、1点は参加者全員の手荷物検査実施と協力について。もう1点は先日発生したエスカレータ事故に伴う、一部エスカレータの運用停止についてだ。
参加者全員の手荷物検査実施と協力
コミックマーケット準備会によれば、「7月よりネットなどでのコミックマーケットへの脅迫行為が複数あり、昨今の様々な事案がある状況において、当局より手荷物確認の実施について強い指導があった」ということ。
コミックマーケットの理念は「コミケットに参加の意思を持つサークル、人すべてを容認し、受け入れていくよう努力しなければなりません。物理的限界へ挑戦する意志を準備会は持つことになります。(ただし、他人に迷惑をかけたり、妨害、場の運営に支障をきたすような意図を持っての参加はお断りします。)」となっている。しかし、参加者の安全確保やコミケット開催の継続のためには必要な措置であるものの、参加者の自主性を尊重したできる限り規制の少ない形での開催を目標としているコミックマーケット準備会は、「手荷物検査の実施を残念である」としている。
手荷物検査は参加者全員が対象。持ち込み禁止物を会場内にで発見した場合は、当該品を没収し以降の返却には応じないということだ。また没収に応じない場合は、入場を断るという。手荷物検査時に発見された場合の措置は明らかにされていないが、各自場外のコインロッカーなどへの保管が必要になるだろう。
なおコミックマーケットで持ち込みが制限されているものは、以下の通り。
1)大きさや材質に関わらず、武具、武器、銃器、弓矢、刀剣など、またはそれを模造した物
2)伸縮性を問わず、30cm以上の長物テニスラケット・バットなど。無線機やカメラなどはアンテナ・望遠レンズなども含んだ全長で判断
3)周囲に危害を加える可能性のある装身具。例として、チェーンや手錠、スパイク、ブーツの拍車など
4)ボール類のすべて、円盤、矢など材質を問わず、「投げる」「飛ぶ」「転がる」可能性のあるものすべて
5)可燃性危険物。火器、燃料、花火、多量のマッチやライターなども含みます。これらは公共の交通機関に持ち込むことも禁止されている
6)乗り物。自転車、キックスケーター、ローラースケート、インラインスケート、スケートボードなどです。またローラーつきの運動靴も禁止
7)酒類、動物(介助犬などを除く)、バッテリー、発電機。多量の電池などバッテリーに関しては、自動車に使われるようなバッテリーなどが持ち込み禁止の対象。ノートパソコンなどのバッテリーに関しては、2~3個であれば問題なし
8)その他スタッフの判断で、危険があると思われる物
中でも注意したいのは、縦・横・高さのいずれかが30cmを越えると持ち込み禁止物になるという点。バッグなどはその対象外だが、カメラなどは注意が必要。また転倒防止のために、ボール類の持ち込みはすべて禁止されている。
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