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[非公認] Googleの入社試験、の著者に聞く

グーグルの入社試験に挑戦だ!

2008年08月08日 09時00分更新

文● 西川仁朗/トレンド編集部

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ルネサンス人を目指すグーグル人

 竹内氏によると、先ほど登場した「スケーリング」という物理学の常識は、日本の数学科専攻にとっては非常識らしい。「これは日米の大学の教育体系の違い」と竹内氏は指摘する。

 「日本の大学は計算機科学の学科に進んだら、そこで4年間勉強して、大学院でもさらに専門分野を深めていきますよね。一方、アメリカではリベラル・アーツの考えから、大学は教養をしっかり身につけて、専門分野は大学院で学ぶ傾向があります。多方面の教養を重視するのは、彼らの理想とするのが万能だったルネサンス人だからです。論理性を重視する問題が頻出するなど、グーグルの問題は欧米の教育理念の影響が色濃く出ていますね」(竹内氏)

 なるほど、単に専門バカでもダメだし、広く浅い知識でもダメなんですね。さらに竹内氏は、実際の試験の現場では「高度なプログラムが組める力も非常に重要」と指摘する。

 「自分が知らない分野なら、専門論文を検索して、そこでヒントを得てから解に近付くためのプログラムが組める能力が必要です。先日、名古屋大学とハーバード大学が共同で、ビッグバンから一番最初の星が誕生するまでの形成過程を、膨大な量のデータを入力して、コンピューターシミュレーションで解き明かしました。これはグーグル的な試みと言えるかもしれません。グーグルの試験でも解法に気付いた後に、自分が使えるプログラム言語を駆使して、それで難解な数式を解かせる能力が重要なんです。そういった能力から新しいGoogleのサービスが生まれるということでしょう」(竹内氏)

 うーん、なるほど。グーグル人の理想はダ・ヴィンチなんですね。聞けば聞くほど圧倒されてしまう。とはいえ、この「[非公認] Googleの入社試験」には頭の体操になる問題も多く、「たけしのコマ大数学科を見ておもしろいと思っていただける方には、楽しめる問題が多いですよ」と竹内氏。

 夏休みボケを防ぐためにも、世界で最も勢いのある企業の難問・奇問にあなたも挑戦してみてはいかがだろうか? 読み終えたときには、グーグル人並のやわらか頭が得られるかも……。

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