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資格取得でNoリスク・Highリターン 第10回

最終回

40歳を超えたら資格から卒業する

2008年08月12日 04時00分更新

文● 三好康之

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重要なのはタイミング

 これまでお話してきたように、資格にはひとつひとつ違った賞味期限があります。賞味期限を過ぎたら捨てないと食中毒を起こします。また、一番熟したおいしい時期というのもあります。いくら資格を早く取得したとしてもすぐに使わず、寝かしておくことも必要でしょう。

 要するに、資格を取るタイミング、使うタイミング、見切るタイミングを見極めることが重要だと言うことです。


20代:たくさん勉強して基礎を身に付けておく。そのための資格がある
30代前半:積極的に資格を取り努力を形にしていく。使うための資格がある
30代後半:積極的に資格を活用する。資格を使う最後のタイミング
40代~:資格から卒業し、資格で得たものや資格で磨いてきた真の実力を使って勝負する



「タイミングさえ間違わなければ、NoリスクでHighリターンが狙える」、 それがITエンジニアにとっての資格というものではないでしょうか。

資格にチャレンジし続ける姿を見せるパフォーマンスならありかも

 ただし、40代を過ぎても生涯学習の一貫で、より不可能なことに挑むのは好感が持てるという意見は多いですね。IT一筋できたけれど、今から司法試験にチャレンジする。あるいは、公認会計士や税理士試験にチャレンジするような感じでしょうか? 合否は別にして、いくつになっても困難な戦いを挑む姿は格好良いと思います。

 また、スキルを維持するために同じ資格を受け続けたり、コンサルタントがプログラミングの資格にチャレンジしたり、ある意味、趣味として、あるいはパフォーマンスとして続けるのもありだと思います。

 いずれにせよ、40歳を過ぎたら、これまでとは違った資格との付き合い方になると考えて下さい。

おわりに

 最後に、この連載を通じて、筆者は資格制度をずっと推奨してきました。しかし、中には資格を取りたくても、それ自体困難な人もいると思います。

・会社で教育もさせてもらえず、馬車馬のように働かされ時間がない
・薄給で生活が苦しく、参考書や受験費用も捻出できない
・健康や家庭の事情で、精神的・金銭的・時間的に余裕がない

 そういう制約が大きければ、思うように資格は取れないかもしれません。しかし、

・資格が重要だと判断できた目の付け所
・資格が思うように取れなくても、それを誤魔化さなかった強い精神
・大きな制約の中で、ベストを尽くしてきたという自負

 そういう精神は、資格が取れようが取れまいが、自分の中に醸成されるはずです。40歳を超えたら、どうせ資格そのものの価値はなくなってしまうのですから、そこから先は同じですよね。

 そう考えると、ITエンジニアにとっての資格とは、取得できたときにHighリターンが狙えるだけでなく、チャレンジし続けるだけでHighリターンを得られる、すばらしいアイテムだと思います。うまく使えば、間違いなくHighリターンは得られます。ぜひNoリスクでHighリターンを狙っていってください。

三好康之氏

三好康之(みよし・やすゆき)

(株)エムズネット代表。SE出身のITコーディネータとして、SIベンダーとの交渉代理、見積もり妥当性チェックなど、利用者側の立場で情報化の支援をしている。また、SEの資格取得支援や執筆活動にも精力的に取り組んでいる。

e-mail:y_miyo@mwc.biglobe.ne.jp
URL:http://www5b.biglobe.ne.jp/~miyomiyo/


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