「うちのマンションの大家の息子さんが写っている!」「あ、アキバのキッチンジローの焼け跡まで……」
グーグルが5日に国内サービスを開始した「Google ストリートビュー」が話題だ。Google マップの新サービスで、街頭の写真を360度見渡すことができる。
このストリートビューは様々な応用が可能だ。例えば、送信ボタンを使えば、地図画面を他人と共有できるため、待ち合わせが非常に楽になる。相手に「この看板の下で会おう」といった具体的な場所を指定できるためだ。人通りの多い待ち合わせスポットにありがちな、待ち合わせの場所に着いてから戸惑う事態を防げる。旅行の下準備などでも活躍しそうだ。
現時点では東京や大阪、横浜などの主要12都市の街並みがストリートビューで見られる。グーグルで同サービスを担当する、プロダクトマネージャーの河合敬一氏によると、「撮影を含めて3ヵ月ほどで1つの都市が完成する」とのこと。人口が多い大都市だけでなく、すでにサービスを開始した京都や鎌倉のように、人気のある都市を優先的にストリートビューに取り込んでいく。
例えば、恋人との初デートの道のりをストリートビューで順に辿ってみるという使い方はどうだろうか? 池袋駅前で待ち合わせをして、サンシャイン通りで映画を見て、ビックカメラに寄った後、キンカ堂の裏のレストランで食事をしたなぁ、といったことを思い出し、甘酸っぱい気持ちになること間違いなしだ。あのころは良かったと思うことも多いだろう。
話が脱線したが、ストリートビューの写真を見ると歩行者も写っている。せっかくなので歌舞伎町や渋谷・円山町に知り合いが歩いていないか辿ってみたが、閑散としており店も閉まっている写真が多かった。写真を見る限りは早朝の写真が多いようだ。個人が特定できないように顔には画像処理が施されている。ただし、服装などから人物を特定できるケースもある。また、十分にぼかしが入っていない顔もあった。
グーグルはプライバシー対策として、ストリートビューのヘルプ機能でユーザーからの要望を受け付けている。例えば「自宅の写真を公開してほしくない」といった声があれば、「検討してから、削除していく」と河合氏は述べる。
このストリートビューはアメリカでは先行して2007年より始まっており、APIが公開されている。すでに不動産紹介サイトの「trulia」(関連リンク)では、ストリートビューを用いて、ウェブ上で実際に販売されている家の外観の写真や隣接する住環境が分かるようになっている。グーグルは日本でも不動産業や観光業での活用を期待している。
今後APIを活用したどのようなサービスが生まれてくるか楽しみだ。