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Qosmio G50新兵器、SpursEngineがスゴすぎる件【前編】

2008年08月07日 16時00分更新

文● 古田雄介

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アプコンもエンコもパーフェクト! その実力をご覧いただこうッ!


 SpursEngineは、PlayStation 3やスーパーコンピューターなどに使われるマルチコアプロセッサ「Cell」をベースにしたもの。主にAV用途で使われる4個のコアと128MBの専用メモリ、H.264/MPEG-2向けのエンコーダー/デコーダーを組み込んでいる。

 このSpursEngineが稼働することで、CPUやGPUに大きな負荷をかけずに高度な処理ができるというのだ。

SpursEngine

デスクトップのガジェットエリアにSpurs Engineのステータスが表示される。ここから対応アプリケーションを起動することも可能だ

 まずは、DVDビデオなどのSD画質をより高精細に見せるアップコンバート機能を試してみる。対応の再生ソフト「TOSHIBA DVD PLAYER」で自前のDVDを再生し、機能のオン/オフで画像を比較してみた。

左がアップコンバート機能を有効にした映像、右が無効時だ。縮小画像では分かりにくいが、拡大するとその差ははっきりとする(画像をクリックで拡大)

 アップコンバートを有効にすると、岩や葉の輪郭がくっきりと表示され、全画面表示した際もぼやけた印象は受けなかった。SpursEngineの4コアはほぼすべて100%の稼働率となったが、CPU稼働率は無効時からほとんど変化していない。実際、PCの動作が重くなるといった挙動も確認できなかった。

 ちなみにQosmio G50シリーズは地デジ番組を8倍録画で長時間残せることをウリにしているが、その際の映像はビットレートを2.0Mbpsまで下げたSD画質となる。通常は長時間の鑑賞が辛い画質だが、アップコンバート機能を利用すれば、ある程度は実用できるレベルまで引き上げられるわけだ。

 つづいては動画の変換処理。AVIやMPEG-2(ビットレートが16~20Mbps程度で、DVDに書き込むには再エンコードの必要があるもの)など、複数の動画データ計500MBをDVDに書き込むことにした。エンコードにかかった時間を計測したところ、こちらも大きな効果があらわれた。

エンコ処理中

DVDへ書き込む前の動画変換処理中の画面。SpursEngineのうち1コアを使ってエンコードの高速化を実現している

 対応の映像編集ソフト「DVD MovieWriter for TOSHIBA」で試したところ、8分15秒という結果に。筆者のマシン(Phenom X4 9550/DDR2メモリ2GB/Ulead VisdeStudio 8)で同じ処理に約20分を要したことを考えると、劇的に高い性能といえる。

エンコ速度

エンコード速度比較。スピードとしては約3倍以上向上している

 しかもCPU使用率も60%台で安定しており、メールチェックやブラウジングなど、他の作業が並行できる余裕もあった。なお、公式アナウンスでは「従来の10倍」というMPEG-4 H.264フォーマットのエンコードについては後編で扱う予定だ。

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