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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第33回

全天候型の防水ケータイ「W62CA」

2008年08月07日 13時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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人間の自然センサーを可視化する「G’zGEAR」


G’zGEAR

G’zGEARには7つの機能が搭載されている

 しかし人間は、テクノロジーに頼らなくても、ある程度なら事前に雷雨を察知できるはずだ。

 例えば空を見ていれば、雄大な積乱雲を見付けられるし、ダウンバーストから吹いてきた少しひやっとする風に遭遇したら、雷雲が近づいていることを察知できる。敏感に変化を感じるだけでいいのだ。

 人間には自然を感じ取るセンサーがあるはずだが、洋服や冷暖房といった現代の都市生活の「常識」によって、そのセンサーをあえて利用しないで生活しているようにも思える。とはいえ、朝出かけるときに天気予報を見るし、雑談として気候の話は欠かせない。

 気候や気象現象について、何か可視化する機会、認識するきっかけさえあれば、自分が持っているセンサーの過去のデータ、すなわち肌の記憶を呼び起こして、季節の移ろいや自然の変化を感じるきっかけが生まれるのではないか。

 今回登場したG’zOneには、「G’zGEAR」と呼ばれる機能がプリセットされている。G’zOneに搭載されているいくつかのセンサーを活用して、自分が今いるフィールドの情報を可視化することに成功しているアプリだ。

EARTH COMPASS

電子コンパスの「EARTH COMPASS」は、ただ単に方角を表示するだけでなく、日本の自然の景勝地や山、世界の自然の景勝地の方角まで分かる仕掛けだ

HEAT GAUGE

温度計の「HEAT GAUGE」は現在の気温のほか、過去の気象データを参照して最高/最低気温を同時に表示してくれる

EARTH LOCATION

位置表示の「EARTH LOCATION」は、普通の地図ソフトのような水平方向だけでなく、鉛直方向でも現在位置を表示できるのが新鮮だ

SEA TIDE

潮位表示の「SEA TIDE」機能が使えるのも防水ケータイらしいところ。潮の満ち引きなど、海の情報も暦のデータを利用して調べられる

 僕がお気に入りなのは、位置表示の「EARTH LOCATION」だ。世界地図、あるいは日本地図の中で自分がどこに位置していて、どちらを向いているかを、Google Mapsのような詳細な市街地図ではなく、よりグラフィカルな簡略化された地図で表示してくれる。

 特に鉛直(高さ)方向の地図を表示してくれるところが面白い。東京にいる限りでは基本的には0〜50mの範囲に収まるが、上空1万mまでのビューアーが用意されているのだ。3776mの位置には富士山頂があり、K2やエベレストの山頂もイラストが描かれている。そして各高度に住んでいる動物のイラストが入り、1万mには飛行機のイラストが用意されている。

 自分がどこにいるのか、自分が何を感じているのか。無意識にしていた自分の周りにある環境というモノを、数値化したりグラフィックスで示してくれることによって、理解させてくれる。G’zOneは、人間が自分の身の回りの環境に興味を持ちながら生活を送るパートナーとして、ぴったりの存在なのだ。

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