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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第30回

ニコ動の作品は体験版──BUBBLE-Bの正体を探れ!

2008年08月04日 11時00分更新

文● 古田雄介

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誰かの家のビデオ100本を落札して素材集め


── 普段は何をされているんですか?

BUBBLE-B (株)コニットという会社を創業しまして、ネット関係の仕事で企画と運営をやっています。だから、公私ともに一日中ネット三昧なんですよ。作風からテレビを頻繁にチェックしている人だと思われがちなんですけど、まったく見てないんです。

 映像の素材は、今はYouTubeやニコニコ動画から集めています。つい最近までは、ヤフオクで「中古ビデオテープ」を検索して、段ボール1箱に100本くらい入った誰かの家で録られたエアチェックものを2000円くらいで買って、一本ずつ見ていました。あとは、実家の親が録ったビデオテープも勝手に持ってきて素材に使ってましたが、テープのゴミが膨大に出るから段々うっとおしくなってきましたね。


── そういうビデオをずっと見ていて、ピンとくるのはどんなものなんですか?

BUBBLE-B あまり気にかけられずに微妙に忘れかけているCMとか、当たり前過ぎてスルーされているものとか、そんなのですね。みのさんとか佐藤B作さんとかって、10代20代に流行っている何かってわけでもないですよね。あと、鈴木杏樹さんのふりかけのCM(※RYUKYU-ANJU参照)なんて誰も関心を持っていなかった。そういう微妙なものがいいですね。ネタとしては一見微妙なものもムスっとした顔でキッチリ作り上げて、180度ひっくり返って爆笑できるというのがいいんですよ。


── なるほど(笑) そういう点で言うと、BUBBLE-BさんがB級グルメチェーン本店巡りをしているのもいい感じで微妙です。あれはいつ頃から、どんな意図で始めたんですか?

BUBBLE-B ついにそこに来ましたね(笑) あれは3年くらい前から取材や素材集めをして、2007年に始めたブログなんですよ。

 本店巡りも僕の音楽と似た方向性の笑いなんです。「ひたすらB級チェーンの本店だけを巡る」という変なネタなんだけど、「だである調」の文章にして、あくまで硬派なドキュメントみたいなテイストで書くといいかなと思って。誰も求めていないようなシュールなものだけど、ちょっと気になるかもというような感じです。

 個人的に「セントラルキッチン」って言われる工場で作って、各店舗に配って売られる食べ物が好きなので、それの一号店に行ってみて「ここは何かが違う」って言いたいんです。優越感ですね。


── やっぱり、他の店舗と味が違うものなんですか?

BUBBLE-B これが謎なんです。どこも一緒の工場で作られているはずなのに、1号店はなぜか味が違う気がすることが多いんですよ。そういうミステリーを知ってしまうと、どこが違っててどこが同じなのか確かめたくて行ってみたくなる。

 でも、どのチェーン店の1号店に行っても理由が分からないんですよ。だから「創業者スピリットが生きているからである」って書いて終わると。そういうことですね。

本店の旅

全国にあるB級グルメチェーン店の本店・一号店を巡るブログ「本店の旅」。豊富な写真素材とルポタージュ風の渋い文章を駆使して、かなり本格的に作り込んでいる

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