IT業界で働く桜子のビジネスリーダーズインタビュー
高校野球のWeb的楽しみ方を生んだasahi.com
2008年08月06日 04時00分更新
甲子園大会より、地方大会を求める高校野球ファン
桜子 実は地方大会の方がアクセスが多い、と聞きました
洲巻 高校野球は、オリンピックやワールドカップと比べれば大イベントではない。しかし、同時多発的に1日で500程の試合が地方で行なわれる。全国大会よりネットへのアクセスやページビューが多いんです。地方大会ではテレビが全試合中継するわけではないし、結果をすぐに知りたい高校野球ファンはasahi.comでどんな高校が勝ち抜いているかをチェックしています。各地方それぞれで注目の試合というのがあり、全員が一つの試合に注目していないにせよ、非常にインターネット的といいますか、分散的な行ないが集積して見られていることは非常に面白いですね
桜子 そうすると色々やってみたい試みがある?
洲巻 色んな情報が関連付けられて見られたらいいなと。スコアの裏にある地域情報などの提供ですね。伝統ある学校同士がぶつかった、地元では事実上の決勝戦だ、など昔からやっていることだから伝統と歴史や地域といったものと照らし合わせたい。単にスコアを載せればいいというだけではなくて、本来そういう細かいことまで配慮していきたいと思いますね
高校野球報道におけるインターネットの強さと魅力
洲巻 言ってみれば単なる高校生の部活ですが、90年という長い歴史を持ち、全国に熱狂的なファンが大量にいる。結局、面白さ自体は甲子園というよりも地方大会が行なわれる都道府県や地域自体にあって、地域コミュニティとのつながりは他のスポーツより強いんです。例えばラグビーやサッカーなどの選手権型イベントは、毎年出場校がほぼ限られているなど、長い歴史の中でそれほど顔ぶれは変わらない。一方高校野球は、何年も連続出場する学校もありますが、選抜される32校は前年と重ならないことが多い。うまい具合に全国各地の戦力が分散し、分散しているゆえに今年はどうなんだろうと興味がわきやすい。いわゆるスポーツファンでなくても母校の評判がいいと応援したくなる
今年は各学校への応援が書ける 応援メッセージというCGMのコメント投稿ツールを6月に提供、さらに過去にあった名勝負の記憶をインターネット上に表現してもらう 思い出甲子園を試みた。
洲巻 それほど大きく告知していないんですが結構アクセスがある。年代や性別によって内容が異なり、そういう意味ではこのコンテンツにニーズがあるんだなと思いました
このほか「マイ高校アクセス」では、気になる学校さえ登録すれば結果が常にわかるという現在人気のサービスがある。
(次ページ「無敵の高校野球データベースとは?」に続く)
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