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5分で分かるAtomノート

2008年08月01日 09時00分更新

文● 細谷 滝音

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同じようで違う顔を持った2つのAtom


ZとNのサイズ比較。

左がZシリーズ、その隣がNシリーズ。Zシリーズのほうがサイズが小さく、より小型な端末に向いている

 AtomにはNシリーズとZシリーズの2種類があり、それぞれ方向性が若干異なる。一言で言うなら、NシリーズはEeePCのような低価格パソコン(Netbook/Nettop)向け、ZシリーズはWILLCOM D4のような、やや高級だが超小型の端末(MID)向けとなる。

 下の表が現状のAtomラインナップをまとめたものだ。

Zシリーズ
プロセッサナンバー クロック周波数 FSB TDP (HTオン時) Hyper-Threading
Z540 1.86GHz 533MHz 2.4W (2.6W)
Z530 1.60GHz 533MHz 2.0W (2.2W)
Z520 1.33GHz 533MHz 2.0W (2.2W)
Z510 1.10GHz 400MHz 2.0W
Z500 800MHz 400MHz 0.65W
Nシリーズ
N270 1.60GHz 533MHz 2.5W


チップセットの違いにも注意!


 また、ZシリーズとNシリーズでは、組み合わせるチップセットも違う。Zシリーズは最新の専用統合チップセット「SCH」(System Controller Hub)を使うが、Nシリーズは旧世代のチップセット「Intel 945GC Express」や「SIS617+968」などを使う。

 Nシリーズのチップセットは、古いぶん機能や性能でSCHに見劣りするが、そのぶんコストを低く抑えられる。一方、ZシリーズのSCHはコストは高いが、サイズが小さいので端末を小型化しやすい。前述のC6ステートもサポートしているので消費電力も低い。何よりグラフィックス機能が強化されているのが特徴だ。

SCHのラインナップ
名称 外部GPU ビデオ再生支援 メモリー GPUクロック TDP
US15W HD DDR2-533/400
(最大1GB)
200MHz 2.3W
US15L HD DDR2-533/400
(最大1GB)
200MHz 2.3W
US11L × SD DDR2-400
(最大512MB)
100MHz 1.6W

 SCHの内蔵グラフィックス「Intel GMA 500」には、H.264/VC-1(WMV9)/MPEG-2/MPEG-4など、メジャーな動画コーデックをハードウェアデコードする動画再生支援機能が搭載されている。つまり、MIDのような超小型端末でもHD画質の動画が再生可能なのだ。

 その代わり、チップセットの制限でSCHはメモリーを最大1GBまでしか搭載できない。Nシリーズと組み合わせるチップセットは最大4GB(2スロット)までのメモリーに対応している。Atomがいくら高性能でも、Windows Vistaでメモリー1GBは少々辛いので注意したい。

 

 以上を踏まえて、次ページではAtom搭載マシンを見てみよう。前述の通り、ZシリーズとNシリーズとでは製品の傾向が違うし、製品によって使用するシーンが違ってくる。自分の目的を踏まえた上で検討するといいだろう。

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